海外発、スウェーデン 現地レポート

日本では理想郷としてよく取り上げられるスウェーデンという国ですが、実際あまり観光で来たり、現地の人と一緒に働き生活をしたことがある人はいないかと思います。 そうしたあまりよく知られていないスウェーデンという国を、実際のスウェーデンでの実際の生活や働きぶりを通してレポートしていきたいと思っています。

5月の世論調査で支持率が急降下したスウェーデン政府

  

本日のスウェーデン感染者状況

本日におけるスウェーデンの感染者総数は43,887人、死亡者4,656人、100万人あたりで感染者は4,347人、死亡者は461人にもなっています。

 

日本の感染者数が17,103人、死亡者914人、100万人あたりで感染者は135人、死亡者は7人です。

 

スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は65倍以上も日本より高いことになります。

 

コロナ死者数増大する中なぜか、政府支持率が急上昇した4月の世論調査

6月8日の統計データサイト・ワールドメータスによると、日本の100万人あたりのコロナ感染による死者数は7人世界で104番目であり、世界平均死者数51.2人を大きく下回っています

 

日本がよく効率的としてみならう国であるドイツは100万人あたり105人の死者数であり、世界でも24番目に死者数が高い国です。

 

日本のコロナ感染による死者数の低さは、先進国の中では非常に稀であることがわかります。

 

www.worldometers.info

 

しかし6月6日の時事通信によると、時事通信が実施した5月の世論調査で、安倍内閣の支持率は38.1%、不支持率は61.3%に上がりました。

新型コロナウイルス感染症をめぐる政府の取り組みに関しては「評価しない」が60%を占め、「評価する」の37.4%を大きく上回ったと報道されています。

 

コロナ危機の影響を受け安倍政権の支持率が大きく下落したことがわかります

  

www.jiji.com

現時点においてスウェーデンは現在世界でも7番目に人口あたりの死者数が高い国です。(本日、世界8番目から7番目に死者数が多い国となりました)

5月には1週間あたりの死者数が世界一にもなったほど非常に多いコロナ死者数をだしています。

 

しかし4月の世論調査では、なぜか与党・社民党の支持率が急上昇しているのです

 

世界の先進国の中でも稀というほどコロナ死者数がでていない日本でも、政府支持率が急落している事態と比較すると目を疑う支持率の上昇です。

 

いくつかの日本のメディアでは、スウェーデン国民はこれまで非常に強い信頼をもっているからだと報じています。

 

本当にそれだけの理由でしょうか?

 

しかし4月の世論調査は非常に不可解な点もあります。

1つとしてはこの世論調査が100万人を対象として行われたというのです。

 

スウェーデンの人口は1023万人しかいません。とても短期間で世論調査できるはずがないのです。

 

もちろん私もこの世論調査に参加していませんし、周りも誰一人世論調査に参加したという人はいません。

 

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www.expressen.se

 

今回のコロナ危機でも、公衆衛生局はストックホルムの人口のうち30%がコロナ集団免疫保持者がいるとして、集団免疫戦略を肯定してきました

 

しかし実際のデータでコロナ集団免疫保持者はほんの7.3%しかなかったのです。

 

こうした統計データの誤魔化しがよく起きるスウェーデンにおいて、4月の世論調査で与党・社民党の支持率が本当に上昇したかには大きな疑問があります

 

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www.expressen.se

 

5月の世論調査で支持率が急降下したスウェーデン政府

しかし6月4日の公共テレビSVTによると、5月の世論調査で与党・社民党の支持率が急落したと報道されました

4月中旬までに、30%は政府に非常に高い信頼を持っていましたが、現在17%にまで低下したとのことです、この支持率は3月時点の社民党支持率が非常に低かった時と同じレベルになっているとのことです。

 

さらに信頼は政府だけでなく、保健サービス、公衆衛生局、外務省、およびコロナ危機に対処する他の当局の信頼性も下がったとあります。

また公共テレビSVTと公共ラジオSRの信頼度も低下しました。

特に毎日の記者会見でのスウェーデン民事緊急対策局(MSB)の役割が不明確または不明確であるためMSBへの信頼が低下し、コロナ危機以前よりもMSBに対する信頼が低くなっていると報じられています。

 

こうしたスウェーデン国民の政府、公衆衛生局、公共メディアに対する大きな信頼の低下は、隣国であるデンマーク、フィンランド、ノルウェーなどの同等の北欧諸国と比べても、スウェーデンでの死亡率が大幅に高いことです。

 

もう1つの理由としては、高齢者介護施設における高齢者死者数がどの国よりも高いにもかかわらず、政府・公衆衛生局を含めて誰もその理由を正確に返答できないためだと報じられています。

 

さらに政府は週に10万人のコロナ検査を実施すると大々的に報じていましたが結局週に3万5,000を超えることはなく、発言と実際の行動に大きな違いがあったと国民にもわかってきたからとのことです。

 

公共テレビSVTでさえも、コロナ危機が始まった当初は自主性を尊重するため、コロナ規制をしないスウェーデン当局のコロナ戦略に対する幅広い支持があったから、与党・社民党4月に非常に高い支持率であったのだろう記し、そうでなければ4月に政府支持率の高かった理由が解釈できないと報じています。

(個人的には4月の統計に何か誤魔化しがあったと思っていますが)

 

そしてこのSVTの記事ではスウェーデンの戦略世界にある多くの国々の戦略から明らかに逸脱しており、強制禁止よりも自発主義にもとづいていたが、現実的に他の世界のどの国よりも明らかに高い死亡率であるため、スウェーデンのコロナ戦略が成功したと主張するのはもう難しいと報じています。

 

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6月4日SVT 

このブログではこれまで公的ニュースや統計データを使い、スウェーデンの死者率が世界と比べても非常に高く、どう考えてもスウェーデンのコロナ戦略が間違っていると記してきました。

それでもスウェーデン人の中にはスウェーデン当局の戦略が正しいと信じたい人たちもいました。

 

しかし世界と比べても桁違いに多い死者の事実を目の当たりにし、徐々にスウェーデン人の目も覚めはじめてきたように感じます。

 

ただ過去の言動に責任をもたないスウェーデンです。いくら支持率が下がり、間違った言動をしていても、今後スウェーデンが経済重視主義を止めてまで、今のコロナ政策を本当に見なおすかには疑問はあります。

 

www.svt.se

コロナ危機からみる多民族国家スウェーデンと単一民族国家日本との違い

 

本日のスウェーデン感染者状況

本日におけるスウェーデンの感染者総数は43,887人、死亡者4,656人、100万人あたりで感染者は4,347人、死亡者は461人にもなっています。

 

日本の感染者数が17,103人、死亡者914人、100万人あたりで感染者は135人、死亡者は7人です。

 

スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は65倍以上も日本より高いことになります。

 

コロナ危機からみる日本

6月7日の統計データサイト・ワールドメータスによると、日本の100万人あたりのコロナ感染による死者数は7人世界で104番目であり、世界平均死者数51.2人を大きく下回っています

 

日本がよく効率的としてみならう国であるドイツは100万人あたり105人の死者数であり、世界でも24番目に死者数が高い国です。

 

日本のコロナ感染による死者数の低さは、先進国の中では非常に稀であることがわかります。

 

www.worldometers.info

 

6月4日のNHKによれば、麻生副総理兼財務大臣が「国民の民度のレベルが違う」 という発言をしました。


この発言が政治的によいか悪いかは私にはわかりませんが、海外在住歴が長い私のこれまでの海外経験からいうと、その通りだと思います。

 

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www3.nhk.or.jp 

実際に私の海外経験で、日本人ほど勤勉で正直であり、団結して物事に取り組む民族はみたことがありません。これは日本人が世界に誇れることだと思います。

 

しかしそれでも私たち日本人は、「そんなことはない、日本人は嘘や建前が多く、ずる賢い人も多い」という人もいるもしれません。ただそうした人はどこの国でもいます。ただ日本はそうした人の割合が非常に少ないのです

 

そのためそうした人たちを含めても、日本人ほど真面目で正直な民族は世界にはまずいないと思います。

 

コロナ危機で比較できる世界の国々の問題解決能力

今回のコロナ危機は同時に同条件でコロナ感染が世界に広がりました。

そのため世界各国のコロナ対策や問題解決能力を比較してみることができます。

 

そうした実際のコロナ対策ににより各国のコロナ感染者数、死者数が大きく変わるため、今回のコロナ危機での感染者数や死者数を比較すると、実際の世界の国家の問題解決能力がわかると考えられます。

 

日本の100万人あたりのコロナ感染による死者数は7人と世界で104番目であり、日本がよく崇めるドイツですが、100万人あたりの死者数は105人となっており、日本の死者数の15倍以上も高いのです。

 

ベルギー:人口あたりのコロナ感染死者数が世界で2番目日本の118倍以上もの死者数

イギリス:人口あたりのコロナ感染死者数が世界で4番目日本の85倍以上もの死者数

フランス:人口あたりのコロナ感染死者数が世界で8番目日本の63倍以上もの死者数

アメリカ:人口あたりのコロナ感染死者数が世界で12番目日本の49倍以上もの死者数

 

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ワールドメータース、人口あたりの死者数

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ワールドメータス 人口あたり死者数 日本

 

日本の実際の問題解決能力の高さがわかるのではないでしょうか。

 

その反面、高福祉国家で人道主義国と世界でも謳われるスウェーデンは、

5月には1週間あたりの死者数が世界でも一番最悪となるほど、非常に多くのコロナ死者を出している国なのです。

そして現時点におけるスウェーデンにおける人口あたりの死亡数は65倍以上も日本より高いのです。

 

これまでの世界の国々へのイメージと、実際の問題解決能力が大きく違うことがわかるのではないでしょうか?

 

単一民族国家と多民族国家

その1つの理由としては、日本単一民族であることがあげられます。

 

スウェーデンのイメージとして金髪、青い目の背が高い白人を想像するかもしれません。しかし現在のスウェーデンは大きく違っています

 

スウェーデンには多くの移民、難民が流入してきているため、非常に多くの外国人背景のスウェーデン国籍者が多いのです。

 

その割合は国内全体で21.5%、第3の都市マルメでは片親が外国人背景である場合を合算すると、50.9%と半数を超えてしまっています。

このようにスウェーデンはイメージと違いすでに多民族国家となっています。

 

そのため多民族国家では単一民族である日本とは大きく違い、多くの人々の思想、宗教、背景、母国語が違っているため、国を1つにまとめることが困難なのです。

 

ドイツも同様です。あまり知られてはいないかもしれませんが、ドイツはスウェーデン人以上の多民族国家であります。

 

その中でもトルコ人移民が非常に多く、町中を歩くと非常に多くのトルコ人系ドイツ人を見かけます。もうドイツ人といってもゲルマン人だけではありません。非常に多くの民族が同居しているのです。

 

フランスも同様に、過去の植民地時代から奴隷としてやってきた、アフリカ系のフランス人が多くいる多民族国家です。イギリス、アメリカも言わずとしれた多民族国家です。

 

また世界でも2番目に人口あたりのコロナ死者数が多いベルギーはさらに顕著であり、非常に多い外国人国籍者をもつ多民族国家です。

 

このように多民族国家が進む欧米では国が国民を1つにまとめることが難しく、

単一民族国家である日本は、多民族化がすすむ欧米よりも団結力も強く、さらに自然災害も多く日頃から危機意識の高いため、問題への解決能力が高いことがわかるのです。

 

実際にあるスウェーデン人は近年多くの外国人がスウェーデンにくるため、あまりに違う意見が多く仕事が非常にやりずらいと話していました。

 

もちろんこれだけがコロナ死者数の多さが違うわけではありません。

実際に多民族国家であるオーストラリアの100万人の人口あたり4人の死者数と、日本の7人よりもさらに低い死者数です。

 

そのため多民族国家であるからコロナ感染拡大していると言っているのでは全くありません。

 

ただ多くの民族、思想、宗教が入り混じる多民族国家ではまとまりにくくなり、政府が打ち出した政策がも実行しづらくなっている事もあるのではないでしょうか。

 

スウェーデン公衆衛生局の国家疫学者テグネル氏がついにコロナ戦略失敗認める?

 

本日のスウェーデン感染者状況

本日におけるスウェーデンの感染者総数は42,939人、死亡者4,639人、100万人あたりで感染者は4,254人、死亡者は460人にもなっています。

 

日本の感染者数が17,064人、死亡者907人、100万人あたりで感染者は135人、死亡者は7人です。

 

スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は65倍以上も日本より高いことになります。

 

スウェーデン公衆衛生局の国家疫学者テグネル氏がついにコロナ戦略失敗認める?

4月25日の新聞アフトンブロデットによれば、与党・社会民主党のレナ・ハレングレン社会大臣が、高齢者介護における感染拡大は「間違いなく大きな失敗だ」と述べました。

 

これに続きスウェーデンのローベン首相5月7日の公共テレビSVTによると、スウェーデンにおける高齢者のコロナ対策が、失敗であったことを認めたと報道されています

 

公衆衛生局は一向にスウェーデンのコロナ戦略が失敗であることは認めていませんでした。

 

しかし6月3日のスウェーデンの公共ラジオSRでスウェーデン公衆衛生局の国家疫学者テグネル氏がついに、スウェーデンのコロナ戦略に問題があったことを認めたと報道されています。

 

記事によるよテグネル氏はコロナ感染が始まった最初から多くの対策をとるべきだったと述べています。

 

そして「はい、スウェーデンで行った対策は明らかに改善の余地があると思う。そしてコロナ感染拡大を防ぐために何を閉鎖すべきかをもっと正確にわかっていればよかった」と語っているのです。

 

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sverigesradio.se

このことはスウェーデン国内だけでなく、英国放送協会BBCなど世界の多くのメディアでも報道されました。

 

日本のNHKですら、テグネル氏が「今よりも、もっとうまくできたはずだ」と述べ、対策が十分ではなかったことを認めたと報道されています。

 

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www.bbc.com

www3.nhk.or.jp

これまでまったくというほどコロナ対策を行わず、多くのコロナ感染者をうみ、世界でも最も多い死者数をうみだしたスウェーデン公衆衛生局国家疫学者であるテグネル氏が、ついにスウェーデンコロナ戦略に否があったことを認めたのです。

 

一度認めた否を、撤回するスウェーデン流言い訳ばかりのテグネル氏

しかし6月3日に否を認めたテグネル氏ですが、6月4日の公共テレビSVTにによると、6月4日の会見でスウェーデンの戦略は良かったと昨日の発言を覆します

 

そしてテグネル氏は海外メディアが間違ってテグネル氏の意図した意味を報道していると、否を認めたわけではないと、昨日の発言は違う意味だと言い訳をしはじめたのです。

 

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6月4日SVT 海外メディアがテグネル氏の発言を間違って報道していると言い訳する公衆衛生局テグネル氏

 

そしてテグネル氏は

「(スウェーデンの戦略が間違っていた)わけではない。私たちはまだ戦略が良いと信じている。過去を振り返れば、いつでも改善できる点はあるという意味だ。私は個人的にこうした質問をされるのはおかしなことだと思う。人はいつでもよりよい仕事ができたとおもうはずだ」と昨日の発言に対して言い訳を語っているのです。

 

とてもスウェーデン国民1023万人の生命、健康に対する責任を担っている人の発言とは思えませんが、過去の発言に全く責任をもたず、いとも簡単に意見を覆すいつもどおりのスウェーデン当局であることがわかります

 

しかし6月3日にテグネル氏がスウェーデン戦略に否があり、対策が不十分であったことを認める発言したことは事実です。

 

これで社会大臣、スウェーデン首相につづき、公衆衛生局国家疫学者もコロナ戦略に否があった事と発言したことになるのです。

 

全く何も進展がなかったこれまでのスウェーデン当局から考えれば、少しは前進したようにも感じます。

 

www.svt.se

 

今後のスウェーデンのコロナ戦略

しかし今後具体的にスウェーデンのコロナ戦略が大きく変わるかは、いまだに大きな疑問があります。

 

政府は6月15日からすべての学校の再開することを決定しました。

また海外への旅行も徐々に可能となっています。

 

これまでスウェーデン首相、公衆衛生局ともコロナ戦略に問題があることは認める発言しましたが、基本的には何も対策がなされず、結局何もかわらないのです。

 

これが発言に責任をとならいスウェーデン流の政治で、発言が一切何の意味も持たないのです。

 

そのため今後も何も具体的な政策はとられぬまま、多くの人たちが感染し続け、死亡者も増えていくことが予想されます。

 

こうしたスウェーデンの政策を変えるには、政府と深いつながりをもつスウェーデンメディアではまず何もかわらないと考えられます。

 

そのため少しでも多くの海外メディアがスウェーデンの真実を報道することで、海外からの圧力でスウェーデンの実態を明らかにしていくしか方法がないのです。

 

そのためスウェーデンの良いところしか報道しないというこれまでの偏った報道だけでなく、今回のNHKの記事のように、もっとスウェーデンの真実を伝える報道が多くされる必要があると強く感じます。

 

 

スウェーデンでの2018年度OECD生徒の学習到達度調査(PISA)における大きな統計誤魔化しが発覚

 

本日のスウェーデン感染者状況

本日におけるスウェーデンの感染者総数は40,803人、死亡者4,542人、100万人あたりで感染者は4,042人、死亡者は450人にもなっています。

 

日本の感染者数が16,930人、死亡者894人、100万人あたりで感染者は134人、死亡者は7人です。

 

スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は64倍以上も日本より高いことになります。

 

2015年度のOECD生徒の学習力調査(PISA)における低い学習力

スウェーデンでは最近まで宿題を出されることがありませんでした。

日本人には理解の難しい理由なのですが、スウェーデンがいう宿題をださない理由としては、宿題を出すと裕福な家庭と裕福でない家庭との間に勉強の格差が生じるという理由でした。

 

しかし最近は学校で宿題を出すようになってきたとのことです。

その理由としてスウェーデンの生徒の学習到達度が非常に落ちてきたことがあります。

 

2015年度のOECD生徒の学習到達度調査(PISA)では、科学、数学、読解力とも日本より大きく下回りややOECDの平均よりややよい程度であり、上位15カ国にも入っていない分野もありました。

 

https://i.insider.com/58471001ba6eb6d3008b7bf9?width=1100&format=jpeg&auto=webp

 

反対に隣国フィンランドは、OECD諸国内でも上位に位置し、読解力においては日本を抜いて2番につけています。

 

同じ北欧諸国といっても、スウェーデンとフィンランドとの学習力には大きな違いがあるのです。

 

スウェーデンでの2018年度OECD

生徒の学習到達度調査(PISA)における大きな統計誤魔化しが発覚

しかし2018年の学習到達度調査(PISA)では、スウェーデンはすべての分野において2015年度の調査と比べて得点がアップしたのです。

 

読解力においては、日本の11位より上位をつけ、OECD内で7位となりました。

そのためスウェーデンの多くのメディアではスウェーデンの学習力が向上していると報道したのです。

 

しかし6月2日の新聞エクスプレセンによると、2018年度の学習到達度調査(PISA)において、スウェーデンでは大きな統計データの誤魔化しがされていたことが発覚したのです。 

 

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6月2日新聞エクスプレッセン スウェーデンの2018年度OECD生徒の学習達成度調査(PISA)での統計ごまかし

www.expressen.se

 

OECDの規則によると、1年以内に移住してきた移民や難民をPISA調査から除外してもよい規則があります。

 

もちろんこのPISA調査に参加しているOECD諸国は、この規則に従いPISA調査をしなければなりません。

 

しかしスウェーデンは1年以上スウェーデンに滞在している、移民や難民もPISA調査から除外していたのです。

 

そのため2018年度の学習到達度調査(PISA)ではスウェーデンの学習力が向上したのです。

 

新聞エクスプレッセンによると、実際にOECDの規則に従ってPISA調査を行った場合2015年度のPISAと同じか、もしくはそれよりも悪い学習力であると報じています。

 

明らかにスウェーデンでは学習力が向上しているかのように見せかけるために、統計データの意図的な誤魔化しを行っているのです。

 

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6月2日新聞エクスプレッセン 学習達成度調査(PISA)でのスウェーデンの実際の読解力得点

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6月2日新聞エクスプレッセン 学習達成度調査(PISA)でのスウェーデンの実際の数学得点

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6月2日新聞エクスプレッセン 学習達成度調査(PISA)でのスウェーデンの実際の科学得点

統計データの誤魔化しの多いスウェーデン

こうしたスウェーデンの統計データの誤魔化しはPISA調査だけではありません。

 

4月22日の公共テレビSVTによると、スウェーデン公衆衛生局と数学者トム・ブリトン氏は、ストックホルムの人口のうち3分の1が集団免疫を獲得していると発表していました。

 

そしてこの計算からスウェーデン当局はスウェーデンでは集団免疫が確立されており、集団免疫戦略を支える根拠の1つでありました。

 

しかし5月25日の新聞エクスプレッセンによれば、公衆衛生局は最近の抗体研究で、ストックホルム人口のうち、ほんの7.3%だけが抗体をもっていたと報じて、明らかに統計データが偽りだったことが明らかになったのです。

 

www.expressen.se

globaljourney.hatenablog.com

 

4月4日の新聞エクスプレッセンによれば、政党世論調査が行われました。その際に4月の統計では、与党・社会民主党の支持率が25%から47%と急激に上がっています

 

しかしこの統計は100万人以上のスウェーデン人を対象に行われたと記されています。

 

しかし考えると、スウェーデン人の人口は1012万人しかいません。それにもかかわらず短期間の間に100万人もの国民に世論調査をすることは不可能なのです。

 

もちろん私もこの世論調査に参加していませんし、周りでも誰一人ともこの調査に参加したという人はいません。

 

このようにスウェーデンでは多くの統計が意図的にごまかされていることがわかるのです。 

 

www.expressen.se

globaljourney.hatenablog.com

 

現在スウェーデンの与党・社民党の支持率が、コロナ危機前と比べて上昇しているというニュースがしばし聞かれます。

 

しかしこれまも行われてきた非常に多いスウェーデンでの統計データの誤魔化し事実から、本当に政府の支持率が上がっているかは大きな疑問です。

すべての学校の再開を決定したスウェーデン政府

 

本日のスウェーデン感染者状況

本日におけるスウェーデンの感染者総数は37,814人、死亡者4,403人、100万人あたりで感染者は3,746人、死亡者は436人にもなっています。

 

日本の感染者数が16,851人、死亡者891人、100万人あたりで感染者は133人、死亡者は7人です。

 

スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は62倍以上も日本より高いことになります。

 

すべての学校の再開を決定したスウェーデン政府

現在、スウェーデンでは大学、高校、職業学校が閉鎖をされており、小中学校、幼稚園は通常どおり行われています。

 

5月29日の公共テレビSVTによると、スウェーデンのローベン首相は、6月15日からすべての学校の再開を決定しました

 

そしてスウェーデン公衆衛生当局のは、これまで推奨されてきた遠隔教育への勧告も、6月15日からはなくなるとのことです。

 

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5月29日SVT すべての学校再開を決定

 

スウェーデンでは多くの学校が6月から8月にかけて、夏休みにはいります。

そのため実質的には8月すぎから学校が再開されることになります

 

そのためローベン首相も、

秋には、高等学校、短大、大学、その他の成人教育がさらに定期的に行われるようになる」と語り、その後も人と一定の距離を保つ規制は続くとしました。

 

 

しかしスウェーデンは現時点でも、世界で第8番目に人口あたりの死者数が多い国であり、感染者数も人口あたり世界で23番目と世界でもコロナ感染者が非常に多い国です

 

来月からすべての学校を再開するのであれば、他の国以上に具体的な対策を整え、学生をコロナ感染から守るように努めてもらいたいものです。

 

www.svt.se

個室でテレビありゲームもできる、囚人には天国のようなスウェーデンの刑務所

 

本日のスウェーデン感染者状況

本日におけるスウェーデンの感染者総数は35,727人、死亡者4,266人、100万人あたりで感染者は3,540人、死亡者は423人にもなっています。

 

日本の感染者数が16,683人、死亡者867人、100万人あたりで感染者は132人、死亡者は7人です。

 

スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は60倍以上も日本より高いことになります。

 

個室でテレビありゲームもできる、囚人には天国のようなスウェーデンの刑務所

5月27日の公共テレビSVTによると、これまでスウェーデンの刑務所では、コロナ感染を防ぐために囚人の家族の子どもが、囚人と面会が2ヶ月以上できなかったとあります。


しかしハルムスタードの刑務所では、スカイプにより家族と話せるようになったと報じられました。


スウェーデンでは刑務所でも囚人に対して人権配慮がされているという内容の記事が記されています。

 

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5月27日 SVT 家族とビデオ通話する囚人

www.svt.se

しかしスウェーデンの囚人への人権への配慮はこれだけではありません。

 

ときどきスウェーデン人とスウェーデンの刑務所について話をすると、スウェーデンの刑務所で囚人は個室をもち、ベットやタンスが設備されていることはもちろんのこと、テレビビデオゲームもすることさえでき、まるで自宅の個室みたいで天国のような環境だと話になります。


日本では信じられないのですが、スウェーデン務所・保護観察所のサイトで囚人の1日が記されており、囚人はテレビが完備された個室を与えられ、サッカーやバスケットボールとスポーツできるとあります。

 

まるで学生寮の個室をのぞいているような感じなのです。

学生寮の個室と何が違うというと、窓には鉄格子がしてあることくらいです


ちなみにこのスウェーデン刑務所・保護観察所サイトでは、以前までは実際の刑務所の写真を掲載しスウェーデンの刑務所の快適さをアピールしていましたが、なぜか最近は写真ではなくデザイン画を掲載しており、スウェーデンの刑務所が普通の刑務所だとアピールしているようであります。

 

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www.kriminalvarden.se

スウェーデンのジャーナリスト兼写真家であるダグ・アールランド氏は、

スウェーデンの刑務所高級ホテルか地獄なのか」というタイトルでブログを記載しています。


ダグ・アールランド氏はクムラ刑務所について記していますが、クラム刑務所はスウェーデン最大の刑務所であり、凶悪犯500人を収容する施設です。


しかし上記の写真からもわかるように、囚人にはやはり個室が用意されています。

そして午後4時に仕事が終わり夕食を食べ終えた後、囚人はトレーニングルームや球技場でスポーツやエクササイズできるそうです。

 

そして電話やテレビを見たり、のんびりする余暇の時間が数時間もあのです。

 

夜8時以降には全員が個々の部屋に戻らなくてはならりませんが、部屋でテレビや本を読んでいても構わないとあります。


日本の刑務所とはまったく異なり、まるで日本の全日制の学生寮を覗いているようです。

恐らくスウェーデンの刑務所より、日本の全日制の学生寮のが厳しいのではないかと感じるほどです。

 

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https://www.ohrlund.se/blogg/wp-content/uploads/2011/09/DSC_5079.jpg

 

www.ohrlund.se

日本の2倍近くという再犯率の高さ

それではこうした囚人にも手厚い人権配慮をしているスウェーデンですが、囚人は更生し再犯率が低いのでしょうか?


スウェーデン犯罪統計ブロによると、2012年の2年以内のスウェーデンでの犯率は35%になります。

 

日本の法務省の「再犯防止推進白書」によれば、日本での2年以内再犯率は2012年で18.6%ですので、なんとスウェーデンの再犯率は日本よりも2倍近くも再犯率が高いのです。

https://www.bra.se/statistik/kriminalstatistik.html

 

2019年の公共テレビSVTによると、スウェーデンでは2019年で犯罪が急激に増え、刑務所が不足し刑務所の3分の1以上が満杯で、状況がさらに悪化する可能性のある未来を予測していると報道されています。

 

スウェーデンは人道主義を唱え、囚人にも大きな配慮している事を世界にアピールしていますが、実際には日本より再犯率より高く、さらに犯罪が増加傾向であるのです。

 

https://www.svtstatic.se/image/wide/992/21772542/1554707528?quality=70&format=auto

www.svt.se

 

日本でも愛媛県の松山刑務所は、北欧のように鍵や鉄格子もない開放刑務所を設けていました。しかし2018年に受刑者が逃走する事件もおきました。

 

囚人の権利はもちろん大事ですが、スウェーデンのような過度ともいえるような人権配慮は、現実に再犯率を下げてはおらず、反対に犯罪が増加している実態もあります

 

もしそれであれば、犯罪をして刑務所に入っているにもかかわらず優雅に過ごせ、さらに出所後も再犯率が高くなるのならば、刑務所の意味がないのではないでしょうか?

 

www.sankei.com

 

コロナ危機がはじまってから約2ヶ月ほど平日にブログ更新してきましたが、今後若干不定期にブログ更新するかもしれません。

これまで定期的にお読み頂いた方がいましたら、申し訳ございませんがご理解頂ければ幸いです。

スウェーデン・エーレブルー市の卒業パーティで半分の学生がコロナ感染

 

本日のスウェーデン感染者状況

本日におけるスウェーデンの感染者総数は35,727人、死亡者4,266人、100万人あたりで感染者は3,540人、死亡者は423人にもなっています。

 

日本の感染者数が16,651人、死亡者858人、100万人あたりで感染者は132人、死亡者は7人です。

 

スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は60倍以上も日本より高いことになります。

 

スウェーデン・エーレブルー市の卒業パーティで半分の学生がコロナ感染

スウェーデンでは3年間の高校生活を終えると、日本とは違い5月に卒業します。

またスウェーデンでは18歳が成人ですので、高校を卒業すると同時に成人になるため、高校卒業パーティは大きなイベントとなります。

 

5月28日の新聞エクスプレッセンによると、スウェーデンの中部にあるエーレブルー市の1つの学校では、何百人もの卒業した学生が集まり屋外卒業パーティが行われました。

 

そして卒業パーティにより半分もの学生が、コロナ感染した可能性があると新聞エクスプレッセンでは報道されています。

 

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www.expressen.se

現在のコロナ危機下、多くの学校で伝統的な高校卒業パーティは公にはキャンセルされました。

しかし実際には何百人もの生徒たちがエーレブルー市に集まり、卒業パーティを実施していたのです。

そのためこの卒業パーティ後に、12から14人の生徒にコロナ症状がでたと報道されています。

 

スウェーデン当局の指示に従っていない現実

これまでスウェーデン公衆衛生局は、スウェーデン国民は伝統的にスウェーデン当局の指示に従うから、コロナ規制をしないと主張してきました。

 

しかし実際には4月19日の新聞アフトンブロデットの記事で記されているように、多くの人たちがストックホルムへ夜中にパーティをしにくり出してた実態が発覚しました。

 

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www.aftonbladet.se

 

この新聞エクスプレッセンの記事からも、スウェーデンでは多くの学生が当局の指示に従わずコロナ感染を広げていたことがわかるのです。


実際にスウェーデンは世界でも第8番目に人口あたりのコロナ死者数が高い国であり、どう考えてもスウェーデン国民が伝統的に当局の指示に従っているとはいえないはずです。

しかしいまだにスウェーデン当局は一向に具体的なコロナ対策を行っていません

 

どこまで世界に批判され死者数を増やしながらでも、現在の無規制対策を行っていくのでしょうか?

 

今後さらにコロナ感染者や死者が増えていく前に、スウェーデン当局は具体的な対策を早急にとる事が必要です。