海外発、スウェーデン 現地レポート

日本では理想郷としてよく取り上げられるスウェーデンという国ですが、実際あまり観光で来たり、現地の人と一緒に働き生活をしたことがある人はいないかと思います。 そうしたあまりよく知られていないスウェーデンという国を、実際のスウェーデンでの実際の生活や働きぶりを通してレポートしていきたいと思っています。

コロナ危機からみる多民族国家スウェーデンと単一民族国家日本との違い

 

本日のスウェーデン感染者状況

本日におけるスウェーデンの感染者総数は43,887人、死亡者4,656人、100万人あたりで感染者は4,347人、死亡者は461人にもなっています。

 

日本の感染者数が17,103人、死亡者914人、100万人あたりで感染者は135人、死亡者は7人です。

 

スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は65倍以上も日本より高いことになります。

 

コロナ危機からみる日本

6月7日の統計データサイト・ワールドメータスによると、日本の100万人あたりのコロナ感染による死者数は7人世界で104番目であり、世界平均死者数51.2人を大きく下回っています

 

日本がよく効率的としてみならう国であるドイツは100万人あたり105人の死者数であり、世界でも24番目に死者数が高い国です。

 

日本のコロナ感染による死者数の低さは、先進国の中では非常に稀であることがわかります。

 

www.worldometers.info

 

6月4日のNHKによれば、麻生副総理兼財務大臣が「国民の民度のレベルが違う」 という発言をしました。


この発言が政治的によいか悪いかは私にはわかりませんが、海外在住歴が長い私のこれまでの海外経験からいうと、その通りだと思います。

 

f:id:globaljourney:20200607153611p:plain

www3.nhk.or.jp 

実際に私の海外経験で、日本人ほど勤勉で正直であり、団結して物事に取り組む民族はみたことがありません。これは日本人が世界に誇れることだと思います。

 

しかしそれでも私たち日本人は、「そんなことはない、日本人は嘘や建前が多く、ずる賢い人も多い」という人もいるもしれません。ただそうした人はどこの国でもいます。ただ日本はそうした人の割合が非常に少ないのです

 

そのためそうした人たちを含めても、日本人ほど真面目で正直な民族は世界にはまずいないと思います。

 

コロナ危機で比較できる世界の国々の問題解決能力

今回のコロナ危機は同時に同条件でコロナ感染が世界に広がりました。

そのため世界各国のコロナ対策や問題解決能力を比較してみることができます。

 

そうした実際のコロナ対策ににより各国のコロナ感染者数、死者数が大きく変わるため、今回のコロナ危機での感染者数や死者数を比較すると、実際の世界の国家の問題解決能力がわかると考えられます。

 

日本の100万人あたりのコロナ感染による死者数は7人と世界で104番目であり、日本がよく崇めるドイツですが、100万人あたりの死者数は105人となっており、日本の死者数の15倍以上も高いのです。

 

ベルギー:人口あたりのコロナ感染死者数が世界で2番目日本の118倍以上もの死者数

イギリス:人口あたりのコロナ感染死者数が世界で4番目日本の85倍以上もの死者数

フランス:人口あたりのコロナ感染死者数が世界で8番目日本の63倍以上もの死者数

アメリカ:人口あたりのコロナ感染死者数が世界で12番目日本の49倍以上もの死者数

 

f:id:globaljourney:20200608144317p:plain

ワールドメータース、人口あたりの死者数

f:id:globaljourney:20200608144440p:plain

ワールドメータス 人口あたり死者数 日本

 

日本の実際の問題解決能力の高さがわかるのではないでしょうか。

 

その反面、高福祉国家で人道主義国と世界でも謳われるスウェーデンは、

5月には1週間あたりの死者数が世界でも一番最悪となるほど、非常に多くのコロナ死者を出している国なのです。

そして現時点におけるスウェーデンにおける人口あたりの死亡数は65倍以上も日本より高いのです。

 

これまでの世界の国々へのイメージと、実際の問題解決能力が大きく違うことがわかるのではないでしょうか?

 

単一民族国家と多民族国家

その1つの理由としては、日本単一民族であることがあげられます。

 

スウェーデンのイメージとして金髪、青い目の背が高い白人を想像するかもしれません。しかし現在のスウェーデンは大きく違っています

 

スウェーデンには多くの移民、難民が流入してきているため、非常に多くの外国人背景のスウェーデン国籍者が多いのです。

 

その割合は国内全体で21.5%、第3の都市マルメでは片親が外国人背景である場合を合算すると、50.9%と半数を超えてしまっています。

このようにスウェーデンはイメージと違いすでに多民族国家となっています。

 

そのため多民族国家では単一民族である日本とは大きく違い、多くの人々の思想、宗教、背景、母国語が違っているため、国を1つにまとめることが困難なのです。

 

ドイツも同様です。あまり知られてはいないかもしれませんが、ドイツはスウェーデン人以上の多民族国家であります。

 

その中でもトルコ人移民が非常に多く、町中を歩くと非常に多くのトルコ人系ドイツ人を見かけます。もうドイツ人といってもゲルマン人だけではありません。非常に多くの民族が同居しているのです。

 

フランスも同様に、過去の植民地時代から奴隷としてやってきた、アフリカ系のフランス人が多くいる多民族国家です。イギリス、アメリカも言わずとしれた多民族国家です。

 

また世界でも2番目に人口あたりのコロナ死者数が多いベルギーはさらに顕著であり、非常に多い外国人国籍者をもつ多民族国家です。

 

このように多民族国家が進む欧米では国が国民を1つにまとめることが難しく、

単一民族国家である日本は、多民族化がすすむ欧米よりも団結力も強く、さらに自然災害も多く日頃から危機意識の高いため、問題への解決能力が高いことがわかるのです。

 

実際にあるスウェーデン人は近年多くの外国人がスウェーデンにくるため、あまりに違う意見が多く仕事が非常にやりずらいと話していました。

 

もちろんこれだけがコロナ死者数の多さが違うわけではありません。

実際に多民族国家であるオーストラリアの100万人の人口あたり4人の死者数と、日本の7人よりもさらに低い死者数です。

 

そのため多民族国家であるからコロナ感染拡大していると言っているのでは全くありません。

 

ただ多くの民族、思想、宗教が入り混じる多民族国家ではまとまりにくくなり、政府が打ち出した政策がも実行しづらくなっている事もあるのではないでしょうか。