海外発、スウェーデン 現地レポート

日本では理想郷としてよく取り上げられるスウェーデンという国ですが、実際あまり観光で来たり、現地の人と一緒に働き生活をしたことがある人はいないかと思います。 そうしたあまりよく知られていないスウェーデンという国を、実際のスウェーデンでの実際の生活や働きぶりを通してレポートしていきたいと思っています。

スウェーデンでの2018年度OECD生徒の学習到達度調査(PISA)における大きな統計誤魔化しが発覚

 

本日のスウェーデン感染者状況

本日におけるスウェーデンの感染者総数は40,803人、死亡者4,542人、100万人あたりで感染者は4,042人、死亡者は450人にもなっています。

 

日本の感染者数が16,930人、死亡者894人、100万人あたりで感染者は134人、死亡者は7人です。

 

スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は64倍以上も日本より高いことになります。

 

2015年度のOECD生徒の学習力調査(PISA)における低い学習力

スウェーデンでは最近まで宿題を出されることがありませんでした。

日本人には理解の難しい理由なのですが、スウェーデンがいう宿題をださない理由としては、宿題を出すと裕福な家庭と裕福でない家庭との間に勉強の格差が生じるという理由でした。

 

しかし最近は学校で宿題を出すようになってきたとのことです。

その理由としてスウェーデンの生徒の学習到達度が非常に落ちてきたことがあります。

 

2015年度のOECD生徒の学習到達度調査(PISA)では、科学、数学、読解力とも日本より大きく下回りややOECDの平均よりややよい程度であり、上位15カ国にも入っていない分野もありました。

 

https://i.insider.com/58471001ba6eb6d3008b7bf9?width=1100&format=jpeg&auto=webp

 

反対に隣国フィンランドは、OECD諸国内でも上位に位置し、読解力においては日本を抜いて2番につけています。

 

同じ北欧諸国といっても、スウェーデンとフィンランドとの学習力には大きな違いがあるのです。

 

スウェーデンでの2018年度OECD

生徒の学習到達度調査(PISA)における大きな統計誤魔化しが発覚

しかし2018年の学習到達度調査(PISA)では、スウェーデンはすべての分野において2015年度の調査と比べて得点がアップしたのです。

 

読解力においては、日本の11位より上位をつけ、OECD内で7位となりました。

そのためスウェーデンの多くのメディアではスウェーデンの学習力が向上していると報道したのです。

 

しかし6月2日の新聞エクスプレセンによると、2018年度の学習到達度調査(PISA)において、スウェーデンでは大きな統計データの誤魔化しがされていたことが発覚したのです。 

 

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6月2日新聞エクスプレッセン スウェーデンの2018年度OECD生徒の学習達成度調査(PISA)での統計ごまかし

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OECDの規則によると、1年以内に移住してきた移民や難民をPISA調査から除外してもよい規則があります。

 

もちろんこのPISA調査に参加しているOECD諸国は、この規則に従いPISA調査をしなければなりません。

 

しかしスウェーデンは1年以上スウェーデンに滞在している、移民や難民もPISA調査から除外していたのです。

 

そのため2018年度の学習到達度調査(PISA)ではスウェーデンの学習力が向上したのです。

 

新聞エクスプレッセンによると、実際にOECDの規則に従ってPISA調査を行った場合2015年度のPISAと同じか、もしくはそれよりも悪い学習力であると報じています。

 

明らかにスウェーデンでは学習力が向上しているかのように見せかけるために、統計データの意図的な誤魔化しを行っているのです。

 

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6月2日新聞エクスプレッセン 学習達成度調査(PISA)でのスウェーデンの実際の読解力得点

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6月2日新聞エクスプレッセン 学習達成度調査(PISA)でのスウェーデンの実際の数学得点

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6月2日新聞エクスプレッセン 学習達成度調査(PISA)でのスウェーデンの実際の科学得点

統計データの誤魔化しの多いスウェーデン

こうしたスウェーデンの統計データの誤魔化しはPISA調査だけではありません。

 

4月22日の公共テレビSVTによると、スウェーデン公衆衛生局と数学者トム・ブリトン氏は、ストックホルムの人口のうち3分の1が集団免疫を獲得していると発表していました。

 

そしてこの計算からスウェーデン当局はスウェーデンでは集団免疫が確立されており、集団免疫戦略を支える根拠の1つでありました。

 

しかし5月25日の新聞エクスプレッセンによれば、公衆衛生局は最近の抗体研究で、ストックホルム人口のうち、ほんの7.3%だけが抗体をもっていたと報じて、明らかに統計データが偽りだったことが明らかになったのです。

 

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4月4日の新聞エクスプレッセンによれば、政党世論調査が行われました。その際に4月の統計では、与党・社会民主党の支持率が25%から47%と急激に上がっています

 

しかしこの統計は100万人以上のスウェーデン人を対象に行われたと記されています。

 

しかし考えると、スウェーデン人の人口は1012万人しかいません。それにもかかわらず短期間の間に100万人もの国民に世論調査をすることは不可能なのです。

 

もちろん私もこの世論調査に参加していませんし、周りでも誰一人ともこの調査に参加したという人はいません。

 

このようにスウェーデンでは多くの統計が意図的にごまかされていることがわかるのです。 

 

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現在スウェーデンの与党・社民党の支持率が、コロナ危機前と比べて上昇しているというニュースがしばし聞かれます。

 

しかしこれまも行われてきた非常に多いスウェーデンでの統計データの誤魔化し事実から、本当に政府の支持率が上がっているかは大きな疑問です。