海外発、スウェーデン 現地レポート

日本では理想郷としてよく取り上げられるスウェーデンという国ですが、実際あまり観光で来たり、現地の人と一緒に働き生活をしたことがある人はいないかと思います。 そうしたあまりよく知られていないスウェーデンという国を、実際のスウェーデンでの実際の生活や働きぶりを通してレポートしていきたいと思っています。

4月4日 世界に批判されコロナ対策なしでも、与党の支持率が上がる仕組みとメディアコントロール

 

本日のスウェーデン感染者状況

本日におけるスウェーデンの感染者総数は6,131人、死亡者358人、100万人あたりでは607人にもなっています。

 

日本の感染者数が2,935人、死亡者69人、100万人あたりでは23人ですので、スウェーデンは人口あたり26倍以上も日本よりコロナ感染が広がっていることになります。

 

世界に批判されコロナ対策をしない与党・社会民主党の支持率があがる仕組みとメディアコントロール!

  
4月1日の新聞エクスプレッセンによると、4月の統計では、与党・社会民主党の支持率が25%から47%と急激に上がっています。

 

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4月1日新聞エクスプレッセンによる政党支持率発表

 

www.expressen.se

これまで何度もこのブログで記載してきましたが、スウェーデンは全くというほどコロナ対策を実施していない世界でも唯一の国です。またこうしたスウェーデンに対して世界の海外メディアでも多くの非難の声が上がっています。

 

それにもかかわらずなぜか政府の支持率があがるという、日本人には理解不能の統計が4月1日の新聞エクスプレッセンが報道しているのです。

 

www.aftonbladet.se 

日本政府は世界でも1番先に学校を閉鎖し、子どもたちの生命・健康を最優先した国です。さらに4月1日に安倍首相は1家庭に2枚のマスクを配布することを表明しました。

そして日本は実際に先進国では桁違いにコロナ感染者数が少ない唯一の国でもあります。

にもかかわらず日本の政府支持率は2月と比べ45%から43%に下がっています。

 

にもかかわらず仮に日本政府がスウェーデン政府と同じことをしたと想像してみてください。 もし安倍首相が日本は独自の道をあゆみ、具体的なコロナ政策を行わないと語り、コロナ感染者が急増し続けていても、日本で政府の支持率が急上昇していくことがありえるでしょうか?

 

私は日本ではまずありえない話だと思います。

 

そこでこの新聞エクスプレッセンで報道された、与党・社会民主党(S)の支持率が上がったと考えられる理由に次のようなことがあげられます。

 

理由1:スウェーデン人がよほど他国のニュースやコロナ対策などを知らず無知な人が多い可能性

3月29日のスウェーデンの新聞アフトンブロデットで「スウェーデンを除くすべての国で厳しい規制をしているが、何も規制を行わないスウェーデンに対して外国のメディアが非難している。スウェーデンは他国が知らない情報を握っているのか、それとも無知なだけなのか」と記るされています。

 

そのためスウェーデン人が海外のニュースを全く知らず、比較する国もないためスウェーデン政府はよくやっていると考えている可能性があります。

 

www.aftonbladet.se 

その1つの例として、私は数日前にスウェーデン人の医者と話をする機会がありました。その際にその医者はスウェーデンでコロナ治療としてマラリア治療薬が使われはじめた事は知っていましたが、日本ではコロナ治療薬としてアビガンがあり臨床試験も開始されていることは全く知りませんでした。

そしてこのスウェーデン医師は、スウェーデンではなぜこのアビガンの情報が全く報道されていないのだと語っていました。

 

このように専門職である医師でさえ、コロナ感染情報に関しスウェーデンのメディアからしか情報を得ていないのです。

そのため一般人であればなおさら、スウェーデンのメディアからのコロナ情報しか聞いていないと考えられます。

 

理由2:スウェーデン人がコスト視点でしか政治を判断しない傾向にある

普段からスウェーデン政府は日本政府とは違い、具体的な政策を政府が発表することはまずありません。

何か問題が生じたときに政府が発表することは、その問題のためにいくらの資金を投じるかしか述べず、日本でいう財布のひもを握る財務省のような感じです。

 

しかしもし日本政府がスウェーデン政府のように単なる財布の紐であり具体策をとらず、政府がただ単に財布のひものように、具体的な対策を練らないならば、自然災害の多い日本ではとっくに国が崩壊しているはずです。

 

しかしスウェーデンは特に自然災害もありません。そのため具体な政策をすぐに出さず、のんびり時間をかけ、なんとなく時間が問題を解決するのを待っていても、スウェーデンでは政府が具体的な対策も特に考えず、資金だけだせばよいという政治がまかり通って来ているのです。

 

そのため現在のコロナ危機状況下でも、スウェーデン人はこれまでの考えが拭いきれておらず、コロナ対策として多額の資金を投じた発表を聞き、政府はうまくやっていると評価したのかもしれません。そのため与党・社会民主党の支持率も上がった可能性もあります。

 

理由3:アンケートが捏造され、偏った一定の層に行われている

よくこの新聞エクスプレッセンの支持率を眺めてください。

何かおかしな点に気づかないでしょうか?

 

そうです。支持率の合計が100%を超えているのです。

 

疑問点1:支持率の合計が241%になっている

なんとこの政党の支持率はなぜか合計するとなんと241%になってしまうのです。

当然のことですが支持率は最高で100%のはずです。どういう支持率調査を行えば政党支持率が合計で241%になるのでしょうか?すでにこの時点でこの政党支持率調査の信頼性が疑われます。

 

疑問点2:100万人もの大多数の支持率調査は事実上不可能

新聞エクスプレッセンの記事によると、この統計は100万人以上のスウェーデン人を対象に行われたと記されています。しかし考えてください。

スウェーデン人の人口は1012万人しかいません。

 

どうすれば人口の10分の1にあたる国民に、この短期間で政党支持のアンケートを実施することが可能でしょうか?

 

もちろん私はこの政党支持のアンケートを受けていません。

また私のまわりでも誰一人このアンケートを依頼されたという人誰もいません。

人口の10分の1にあたる国民から短期間で政党支持のアンケートをとることは、現実的にほぼ不可能なのです。

  

疑問点3:実際のスウェーデン人の支持と大きく違っている

私の周りにいる人でスウェーデン政府の対策がよいと話す人は1人もいません。

しかしこれが私の周りだけかというと、そうではないのです。

 

1つの例ではあり参考ではありますが、4月3日にFacebook上で、スウェーデン人が政党支持のアンケートをしていました。それによるとその結果が次のようになっています。

 

第1野党・スウェーデン民主党(SD) 1051票

その他の政党 13票

与党・社会民主党(S) 6票

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4月3日Facebook上での政党支持アンケート

 

なんと与党・社会民主党の支持率は1%にもみたないのです。もちろんFacebookですので信頼度は低いですが、あきらかに与党・社会民主党の支持率が低いことはわかるはずです。 

 

理由4:多くのスウェーデン人はすでにメディアによる深いマインドコントロール下にある

仮に4月1日の新聞エクスプレッセンのよる政党支持率調査が正しかったとしましょう。

 

しかし現在のコロナ感染危機状況下、SVTを含めた多くのスウェーデンメディアが、政府養護の記事を掲載する傾向が強くみられます。

 

4月2日の新聞アフトンブロデットでも、「スウェーデンのコロナ対策が世界に怒りを起こしているが、ハーバード大学のレポートではこれを支持している」という政府擁護の記事を載せています。

 

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4月2日新聞アフトンブロデット スウェーデンが正しいというハーバード大学のレポート



www.aftonbladet.se 

こうした毎日のようにスウェーデンメディアから報道される政府擁護の報道により、国民は政府が正しいと無意識のうちにマインドコントロールをされているとも考えられるのです。

 

たとえば日本ではメディアが政府の批判をするニュースが強い傾向にあります。

こうした毎日のように政府批判のニュースをみていれば、国民は無意識で何か起これば政府批判の考えをもつようになります。

そのため日本は世界の先進国の中でも桁違いにコロナ感染の低い国ですが、日本の多くのメディアは政府を非難するニュースが日頃から多く、今回のコロナ対策でも政府は批判を受けているため、現在の政府支持率は下がっています。

 

しかし反対に日本のメディが毎日のように政府を支持するニュースを報道していたらどうなるでしょう?


おそらく日本政府が少し悪い行動をしても政府の支持率が上がるのではないでしょうか。

これがメディアによる大衆操作なのです。

 

そのためスウェーデン政府は世界からも批判され、現在も国民の生命・健康を無視し、理屈も通らない政治しているにもかかわらず支持率が上がっています。その理由として、普段からのスウェーデンのメディアによる政府擁護の偏向報道により、国民がすでにメディアによる深いマインドコントロール下にある可能性も高いのです。