海外発、スウェーデン 現地レポート

日本では理想郷としてよく取り上げられるスウェーデンという国ですが、実際あまり観光で来たり、現地の人と一緒に働き生活をしたことがある人はいないかと思います。 そうしたあまりよく知られていないスウェーデンという国を、実際のスウェーデンでの実際の生活や働きぶりを通してレポートしていきたいと思っています。

スウェーデンの民間医療クリニックで高額な偽コロナ検査証明書発行の発覚

 

本日のスウェーデン感染者状況

本日におけるスウェーデンの感染者総数は537,967人、死亡者10,797 人、100万人あたりで感染者は53,085人、死亡者は1,065人にもなっています。

 

日本の感染者数が334,328 人、死亡者4,548人、100万人あたりで感染者は2,648人、死亡者は36人です。

 

スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は29倍以上も日本より高いことになります。

 

スウェーデンの民間医療クリニックで高額な偽コロナ検査証明書発行の発覚

現在、新たな変異コロナウィルスの感染拡大に伴い、日本でも水際対策措置として、検疫強化対象国・地域に指定された地域から、入国の場合、出国前72時間以内のコロナ検査証明書を提出しなければなりません。

 

そしてスウェーデンも日本の検疫強化対象国・地域に指定されている国です。

 

また日本だけではなくヨーロッパ諸国でも入国時に、コロナ検査証明書を提出を求める国も多くなってきています。

 

そのためスウェーデンでもビジネスなどで他国に行く必要がある人は急いでコロナ検査を行い証明書をとる必要がでてきています。

そうした中スウェーデンでは信じられない事件が発覚しました。

 

スウェーデンの医療新聞Lakartidningenによると、ヨーテボリ民間医療クリニックでは、偽のコロナ検査証明書を発行した疑いがあると報道しているのです。

 

証明書にはUnilabsと呼ばれる医療研究ラボで検査認定されたとし「認定ラボ:UNILABS」と記載されています。

 

しかしUnilabsはこのこのクリニックからのサンプルを受け取っておらず分析もしていないとし、警察へ報告したと記されています。

 

lakartidningen.se

 

この民間医療クリニックは、すべてが誤解であり、代わりにコロナ検査のサンプルが、タターバイオセンターとサールグレンスカ大学病院で分析されたと述べています。

 

しかしタターバイオセンターとサールグレンスカ大学病院も、このクリニックのサンプルを分析していないと述べているのです。

 

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偽コロナ検査結果をもち他国入国によるコロナ拡大

この記事によると、このクリニックではさまざまなコロナ検査を提供しています。最も高価なものは2690 クローナ(約3万6千円)で、2時間以内に結果が保証されるとあります。

 

しかし実際には検査ラボにサンプルも送らず、高額な検査費用だけ取って嘘のコロナ証明書を発行していた事件が発覚したのです。

 

この民間クリニックではもちろん正規の医師が働いています。

こうした正規の医師がいるにもかかわらず、目先の高い検査費のために偽のコロナ検査証明を発行してまで利益を求める人たちもいるのです。

 

そしてこの民間医療クリニックで偽コロナ検査証明書をもってヨーロッパを旅行した人もいると述べられているのです。

 

現在、ノルウェーやフィンランド、デンマークなど周辺諸国よりコロナ感染がひどいスウェーデンから、この偽の証明書をもって他国に入国した人もいるため、他国にコロナウィルスが広がるリスク拡大させてしまった可能性もあるのです。

 

これまでスウェーデンは独自路線といって特に規制をしなく、他の北欧諸国より非常に多い感染者数を出しています。そのため他の北欧諸国からもスウェーデンからの感染拡大が懸念されていました。

 

しかし昨年12月15日にコロナ委員会がスウェーデンの高齢者コロナ対策は失敗であると正式に発表し、現在はこれまでの独自路線から政府が中心となりコロナ対策を進める政策に方針を転換しています。

(その為これまで頑なにマスク使用を推奨してこなかったスウェーデンでも、現在はマスクの使用が強く推奨され、街中でもマスク使用者が増えてきています)

 

globaljourney.hatenablog.com

しかし現在もこうした一部の者の利益のために、いまだスウェーデンから他国へ感染を拡大させ迷惑をかける状況を生んでいるのです。

 

世界中がコロナ感染拡大防止に力を注いでいる中、スウェーデン政府はこの問題を真摯に受け止め、スウェーデンだけの国内問題としてではでなく、もっと世界と協力して感染拡大防止に力を注ぐ必要があるのではないでしょうか?