海外発、スウェーデン 現地レポート

日本では理想郷としてよく取り上げられるスウェーデンという国ですが、実際あまり観光で来たり、現地の人と一緒に働き生活をしたことがある人はいないかと思います。 そうしたあまりよく知られていないスウェーデンという国を、実際のスウェーデンでの実際の生活や働きぶりを通してレポートしていきたいと思っています。

隣国フィンランドコロナ対策の非難をする、コロナ対策をしないスウェーデンのメディア

 

本日のスウェーデン感染者状況

本日におけるスウェーデンの感染者総数は12,540人、死亡者1,333人、100万人あたりでは1,242人にもなっています。

 

日本の感染者数が9,231人、死亡者190 人、100万人あたりでは73人ですので、スウェーデンは人口あたり17倍以上も日本よりコロナ感染が広がっていることになります。

 

いまだに具体的なコロナ対策がだされないスウェーデン

スウェーデンではいまだに特にコロナ拡大防止の規制や具体的な対策がありません。

 

そして毎日のように、テレビや新聞などでスウェーデン公衆衛生局が、矛盾だらけの発言をしながら、スウェーデンのコロナ政策がいかに正しいかを説明しています。


あまりに公衆衛生局や政府の矛盾だらけの発言が多いだけで、一向に具体的なコロナ対策がでることもないため、正直この毎日ブログで書いていても記す内容が同じになって困ってしまうほど、スウェーデンでは具体的なコロナ対策もされずまったく進展がない状況です。

 

隣国フィンランドコロナ対策の非難をする、コロナ対策をしないスウェーデンのメディア

4月16日のスウェーデンの新聞SvDでは、3月14日のフィンランドのスキー競技会においてコロナ感染を広まったと報道されています。

 

その記事によれば、3月14日にフィンランド当局は500人を超える集会の禁止したので、3月14日に開催されるはずであったフィンランドのヴオカッティでのスキー競技会は中止されました。しかしすでに競技者は到着しており、シーズンの最後なので夜にパーティーを行い、そこで数人がコロナに感染したとあります。


そしてフィンランドはスウェーデンほど感染者数は多くない、しかしフィンランドのカイヌ地方では感染者が72人もいると述べ、フィンランドのコロナ対策が成功していないことをイメージさせる記事の掲載をしています。

 

 

www.svd.se

 

フィンランドのコロナ対策を非難するスウェーデンのメディアですが、3月22日に公共ラジオSRによれば、スウェーデン北部のオーレ(Åre )のスキー場で、この時期にスキーに行きパーティを行っていたため、15人もの人がコロナに集団感染をしたと報道されているのです。


さらにスウェーデンのスキー場は政府が唯一もうけた500人以上の集まっての集会禁止規定は次回から守るとし、今後は499人で営業を続けるとまで述べていました。

 

スウェーデンのスキー場では、コロナの感染拡大させた反省を、まったくしていないことがわかります。

 

sverigesradio.se

www.expressen.se

 

スウェーデンメディアによる他者批判による自己正当化報道

今回の記事にあるフィンランドのスキー場は、フィンランド当局の規定に従いスキー競技会を中止しています。

 

しかしスウェーデンのスキー場はスウェーデン当局の規定に従わないでコロナ感染を広げていました。


このように自国でも同様にスキー場で感染者を生んでいるスウェーデンは他国の非難をする資格はないのです。

 

ですがこうしたコロナ感染が国内では起きていなかったように、スウェーデンのメディアは他国の批判記事を記載しています。


しかもフィンランドのスキー場でコロナ集団感染が起きたのは、3月14日と1ヶ月以上前の話です。なぜ今さら1ヶ月前の他国フィンランドのニュースを報道する必要があるのでしょうか?


しかしこの記事を読んだスウェーデン人は、フィンランドのコロナ対策はスウェーデンの対策よりも甘いのだろうと誤認してしまうのです。

 

スウェーデン流のメディアによる大衆操作

スウェーデンのメディアは自国への政策に対する批判から国民の目をそらすために、他国の批判をすることがよくあります。

 

たとえばスウェーデンのメディアでは、インドや中国、中東など他国の人権問題や環境問題について多く報道をしています。

こうしたニュースを毎日のようにみているスウェーデン人は、他国はなんてひどいのだと感じてしまうのです。


反面スウェーデンのニュースでは自国の悪いニュースはあまりとりあげられません。

しかし実はスウェーデンでの銃犯罪は人口当たり日本の60倍もあり、強姦数も日本の90倍以上にのぼります。また爆弾事件も毎週のよに起き犯罪率が非常に高い国なのです。


しかし他国の批判ニュースを多く報道するものの、自国の事件や問題はあまり報道しないので、スウェーデン人もスウェーデン国内でそれほど大きな問題が起きていることに気づきません。

このようにスウェーデンのメディアでは他国の非難をすることで、視聴者を自国の問題に目を向けさせないようにしています。

 

この4月16日のSvDの記事でも、フィンランドのコロナ対策を非難することで、スウェーデンのコロナ対策がフィンランドよりもうまくいっているように、読者を誘導している事が読み取れます。

 

これが典型的なスウェーデン流のメディアによる大衆操作の方法なのです。