海外発、スウェーデン 現地レポート

日本では理想郷としてよく取り上げられるスウェーデンという国ですが、実際あまり観光で来たり、現地の人と一緒に働き生活をしたことがある人はいないかと思います。 そうしたあまりよく知られていないスウェーデンという国を、実際のスウェーデンでの実際の生活や働きぶりを通してレポートしていきたいと思っています。

4月3日 公共テレビSVTと政府共同によるお決まりのスウェーデン流メディアコントロール

 

本日のスウェーデン感染者状況

 

本日におけるスウェーデンの感染者総数は5,568人、死亡者308人、100万人あたりでは551人にもなっています。

 

日本の感染者数が2,617人、死亡者63 人、100万人あたりでは21人ですので、スウェーデンは人口あたり26倍以上も日本よりコロナ感染が広がっていることになります。

 

相変わらず理解不明の説明をする公衆衛生局長のアンダーシュの発言

今日も公衆衛生局長のアンダーシュはよく意味のわからないことをテレビで発言しています。

 

アンダーシュはスウェーデンが他の北欧諸国より死亡率が高いと発言していますが、まだスウェーデンの感染者数増加は他の国よりは低いので、スウェーデンのコロナ対策は正しいことを強調しています。


数学者ではないのですから他国と比較した数字が良いとかではなく、コロナ感染拡大がどれだけ防げるかの対策をたてるのが彼の責務です。
コロナ拡大防止に本気で取り組む気があるのかというスウェーデン公衆衛生局のトップの発言です

 

さらに昨日ストックホルムの医師が2人感染して集中治療室に運ばれたにもかかわらず、ストックホルム医療機関がうまく機能しているとさえ述べています。この人はニュースをみているのか尋ねたくなります。
しかしこれがスウェーデン国民の生命・健康を背負って立っているコロナ対策トップの人間なのです。

 

www.aftonbladet.se

 

 

公共テレビSVTと政府共同によるお決まりのスウェーデン流メディアコントロール

4月1日の公共テレビSVTでスウェーデンのローベン首相がコロナ危機に対してインタビューを受けました。

 

そのインタビューの中でローベン首相は現在のコロナ危機について「この事態が数週間で終わるとは思わないでください。この収束には時間がかかり、数か月かかる」と述べています。

 

またいつものようにローベン首相は誰もが常識として知っていることをいうのみで、例のごとく具体的な対策は打ち出しません。

 

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SVT4月1日ローベン首相独現在の状況が数ヶ月続くと語る

 

この演説でローベン首相は誰もが知っていることを国民に訴えかけており、あたかも首相自身はこのコロナ感染危機が、実は数週間で収束するものだと考えていたように感じる演説なのです。

 

さらに今回も社会民主党員が理事会に多数おり、政府擁護の報道に偏るSVTのみの、独占インタビューであるため、他のメディアの記者は一切質問ができなくなっています。

 

この日のローベン首相のインタビューだけをみても疑問点が多く、スウェーデンではメディアコントロールされた報道をしていることがわかるのです。

 

www.svtplay.se 

新たにだされた勧告

これまでほとんどスウェーデンでは具体的な対策がだされていませんでした。あったのは50人以下の公的な集会の勧告とレストランやバーで立って食事をしてはいけないもののみでした。


しかし4月1日にトランプ大統領が、まったく対策をしなければ150万人から220万人の死者がアメリカで生まれるという発言を受けてからか、スウェーデン公衆衛生庁もコロナ感染拡大防止のため、日常生活上の一般的な勧告をやっと発表しました。

 

www.cnn.co.jp 

この勧告には普段の生活やスポーツ活動、会合等の開催、働き方や通勤等に関する注意事項が含まれており次のようなものとなります。


・店舗,ショッピングセンター,美術館,図書館,待合室等の屋内外の人が集まる場所では距離を取ること。
・公共交通機関等においてお互いに距離を取ること。
・パーティー,冠婚葬祭,洗礼等の比較的規模の大きい集会への参加をやめること。
・70歳以上等のリスクグループに属する人は他人との接触を制限し公共交通機関の利用を避けること。
・スポーツ活動の運営者は,できる限り活動は屋外で実施し,試合等を延期すること。
・団体等の年次会合など,実際に人が集まる会合は延期すること。
・雇用者は,被雇用者等のソーシャルディスタンス,自宅での勤務を確保し,また,不要な出張やラッシュ時の通勤を避けること。

スウェーデンも少し危機感がでたような感じであります。しかしあくまで勧告であるため規制ではなく、国民へのアドバイスのようなものです。

 

また勧告の内容を読んでもらえばわかるように、一般人が常識的にすでに行っている当たり前の内容を記しただけであり、他の多くのヨーロッパ諸国が行っている規制や禁止とはまったく異なるものなのです。

 

www.folkhalsomyndigheten.se

www.krisinformation.se

ただこれまでフィンランド政府から文句を受けてきた、フィンランドとの境にあるラップランド地方の国境を4月2日から閉鎖することになりました。やっとスウェーデンも少し他国に迷惑をかけなくてくてすむ決定をだしたのです。