アメリカのメディアCNNによる、北欧諸国とスウェーデンのコロナ死者数の比較
- 本日のスウェーデン感染者状況
- 行事ヴァルボリにおける50名を超えるイベント等の禁止への改めた注意喚起
- コロナ規制なく急増する死者数
- 「何が最善の戦略かは誰もわからず、時がたてばわかる」という無責任な公衆衛生局長の発言
- その他の統計データからの北欧諸国の死亡数・死亡率比較
本日のスウェーデン感染者状況
本日におけるスウェーデンの感染者総数は21,092人、死亡者2,586人、100万人あたりで感染者は2,088人、死亡者は256人にもなっています。
日本の感染者数が13,965人、死亡者425人、100万人あたりで感染者は110人、死亡者は3人です。
スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は85倍以上も日本より高いことになります。
行事ヴァルボリにおける50名を超えるイベント等の禁止への改めた注意喚起
スウェーデンではいまだにコロナ拡大防止の規制がほぼない、世界でも唯一ともよべる国です。
現在ある規制は、50人以上での集会の禁止、大学・高等学校・職業学校の閉鎖、またレストランやバーで立って食事の禁止です。ただ座って食べれば問題はありません。
4月27日の日本大使館情報によれば、「スウェーデンのミカエル・ダンベリ内務大臣は,今月末のヴァルボリ前に、50名を超えるイベント等の禁止について改めて注意喚起を行った」とのことです。
ヴァルボリとは、毎年4月30日に行われるスウェーデンの祭り「ヴァルボリ Valborg」(ヴァルプルギスの夜)では、冬の間に出た枯れ木や枯葉を集めて大きなかがり火を焚き、春の訪れを祝う屋外でのイベントです。
このヴァルボリで50名以上の人々が屋外でも集まる可能性があるため、ダンベリ内務大臣は、50名を超えるイベント等の禁止について注意喚起を再度しました。
そのため新たな規制が追加されたわけではありません。
コロナ規制なく急増する死者数
こうした全くというほどコロナ拡大防止規制しないスウェーデンを、
4月29日のアメリカのメディアCNNでも記事としてとりあげています。
CNNの記事によると、「スウェーデンは、世界でコロナが拡大の中、感染の異常値を示しています。しかし国民の生活に厳しい制限を課すこともなく、ヨーロッパの近隣諸国のような対策をしていません。」
「いまだに賑わう通りで仕事に向かう人々、カフェやバーでおしゃべりをする人々の画像は眉をひそめるものがある」
「大学や高等学校は遠隔学習に切り替りましたが、中学校未満の若い子どもたちはいまだ学校に通っています。美容院からレストラン、また企業もいままで通り営業を続けていますが、可能であれば自宅で仕事をするようにアドバイスをうけています。」
「4月7日にスウェーデン政府は必要に応じて迅速に一時的措置が決定できる法案を発表しました。介護施設への訪問は4月1日から禁止され、社会省は必要のない旅行は控えるように求め、さらに距離を保ち、個人で責任をとることを加えた」
「同様の文化的、地理的、社会学的属性を共有するもつ北欧諸国の間でも、スウェーデンとの他の北欧諸国は素晴らしほど違う。フィンランドは3月16日に緊急事態を宣言し、学校を閉鎖し、10人以上の集会を禁止しました。」と報じています。
そしてCNNでは北欧の4カ国間でのコロナ規制や感染状況を比較して、簡単に図で表しています。
北欧4カ国でのコロナ規制の簡略図(CNN)
比較結果:スウェーデンは他の北欧3カ国と比べても、レストラン、美容院、学校(一部)の規制がされていない。
北欧4カ国でのコロナ死亡者数の簡略図(CNN)
死亡者数(4月28日時点)
スウェーデン:2,274人
デンマーク:427人
ノルウェー:206人
フィンランド:193人
比較結果:スウェーデンの死亡者数合計は、フィンランドの11倍以上高い
人口10万人あたり死亡数(4月28日時点)
スウェーデン:22人
デンマーク:7人
ノルウェー:4人
フィンランド:4人
比較結果:スウェーデンはフィンランド、ノルウェーと比較すると、人口当り死亡数は5倍以上高い
こうしたCNNの図表からみても、規制のないスウェーデンでは、死者数が他の北欧諸国と比べて、桁違いに多くなっていることが一目でわかるはずです。
CNNの記事の中で、カロリンスカ研究所の微生物学・腫瘍・細胞生物学部門のヤン・アルバート教授も、
「スウェーデンでは今まで他のヨーロッパ諸国よりも多くの死者を出したことは明らかです。それは恐らく少なくとも、私たちが厳格な封鎖をしておらず、法律で強制された封鎖をしていないためです。」と語っています。
「何が最善の戦略かは誰もわからず、時がたてばわかる」という無責任な公衆衛生局長の発言
CNNによると「他国のコロナ戦略はどう思うか?」という質問に、公衆衛生局の国家疫学者アンダーシュ・テグネル氏は、
「予防接種すぐにできる以外は、コロナ感染を抑止するのは集団免疫が唯一の方法だ」
「真実はスウェーデンを含め誰も何が最善の戦略かわからない。時がたてばわかるだろう」と語っています。
これがスウェーデン1,023万人の生命・健康をにぎる、公衆衛生局のトップが語る言葉なのでしょうか?
もし時が来て政策が失敗であり多くの人々が死亡する結果となっていたら、誰が責任を持つのでしょうか?
そうした失敗を最小限に抑えるために、世界の多くの国が手探りながら、さまざまなコロナ対策を講じ、死亡者を減らそうと努力しているのです。
にもかかわらずコロナ拡大防止を国民一人ひとりの責任とし、スウェーデンの戦略が失敗したかは時がたてばわかるだろうとは、あまりにも無責任すぎるのではないでしょうか?
もしこうした当局が何もせず、拡大防止は国民の責任であるという発言がまかり通るのならば、スウェーデンでは国民を守る政府が存在しないのと同じではないのでしょうか?
その他の統計データからの北欧諸国の死亡数・死亡率比較
CNNのコロナ感染による死亡数・死亡率データ以外にも、さまざまな統計データがあります。
4月30日のアワー・ワールド・イン・データによる 北欧4カ国でのコロナ死者数を比較するとつぎの表で示されます。
スウェーデン1カ国だけ、コロナによる死者数が桁違いに多いことがわかります。
またワールドメータズの統計データによる回復者数・死亡者数の割合による死亡率は
スウェーデン:70.09%(4月28日時点)
デンマーク:6.51%(4月29日時点)
フィンランド:6.85(4月29日時点)
ノルウェー:(データなし)
日本:14.85%(4月29日時点)
スウェーデンの回復者数・死亡者数の割合による死亡率がデンマークの10倍以上高いことがわかります。
こうした多くの統計データからスウェーデンの死亡者数・死亡率が極端に高い事実があるにもかかわらず、スウェーデンはコロナ危機が集結するまでは、誰もわからないと言い続けるのでしょうか?
この統計データを見た限りだと、今後どれだけの人が死亡する恐れがあるのか不安が横切ります。
ただ未来は誰にもわかりません。しかし最悪の状態にならない事を願うばかりです。
(5月1日は労働者の日であるメーデーです。ブログをはじめて約1ヶ月ほどたち、毎日ブログを書かせて頂いておりますが今週末はメーデーであることもあり、数日ほどブログ更新をお休みさせていただくかと思います。もしブログを読んで頂けている方がいましたらご了承をお願い致します。)