海外発、スウェーデン 現地レポート

日本では理想郷としてよく取り上げられるスウェーデンという国ですが、実際あまり観光で来たり、現地の人と一緒に働き生活をしたことがある人はいないかと思います。 そうしたあまりよく知られていないスウェーデンという国を、実際のスウェーデンでの実際の生活や働きぶりを通してレポートしていきたいと思っています。

コロナ感染者数が多くEU諸国と国境開放されないことは「差別」と主張するスウェーデン外務大臣

 

本日のスウェーデン感染者状況

本日におけるスウェーデンの感染者総数は34,440人、死亡者4,125人、100万人あたりで感染者は3,412人、死亡者は409人にもなっています。

 

日本の感染者数が16,623人、死亡者846人、100万人あたりで感染者は131人、死亡者は7人です。

 

スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は58倍以上も日本より高いことになります。

 

EU諸国から孤立するスウェーデン

5月26日の恐々テレビSVTによると、現在地中海にあるキプロス共和国はEUにある国々と国境開放する計画を立てているとのことです。

 

そしてキプロス共和国はイギリスやフランス、スペイン、イタリア、ベネルクス諸国、ロシアなど19か国との国境開放する予定であるとのことです。

 

しかしスウェーデンからの入国は許可されないと報じています。

 

その理由としてキプロスの最高の疫学者レオンディオス・コストリキス氏は、スウェーデンのコロナ対策は「明らかに失敗である」と語っています。

 

https://www.svtstatic.se/image/wide/992/26898521/1590361518?quality=70&format=auto

 

またキプロスだけではなく、フィンランドやノルウェー、デンマークと他の北欧諸国でもスウェーデン人の入国は拒否されていると報じています。

 

実際に、アメリカにあるジョンズホプキンス大学によれば、スウェーデンの死亡率デンマークの約4倍フィンランドの6倍以上ノルウェーの約10倍にものぼると報告されています。

 

このように現在死者数が非常に多いスウェーデンが、北欧諸国だけではなくEU諸国からもスウェーデンとの国境開放することに恐怖を感じ、孤立していることがわかるのです。

 

www.svt.se 

コロナ感染者数が多くEU諸国と国境開放されないことは「差別」と主張するスウェーデン外務大臣

しかし5月26日のアメリカメディアであるブルームバーグによると、

スウェーデンの外務大臣アン・リンデ氏は、こうしたスウェーデンとの国境開放しないキプロス共和国の決定に、

「差別されることを望まない」と答えています。

  

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https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-05-26/sweden-tackles-image-problem-after-cyprus-blacklists-citizens

 
そしてキプロス共和国が、スウェーデンを含むコロナ感染率が高い国々をブラックリストに載せるという決定に対し、アン・リンデ外務大臣は5月29日に行われるEU閣僚会議で、この問題を取り上げる述べています

アン・リンデ外務大臣は各国政府が国内で政権の強さを示すための政治的理由から、スウェーデンを国境開放除外国のブラックリストに載せるのではなく、EU加盟国が「事実」を認識し対応するべきだと語っているのです。

 

アン・リンデ外務大臣は何が「事実」と言いたいのでしょうか?

 

どんな統計データをみてもスウェーデンはEU諸国内だけではなく、世界レベルでもコロナ感染者が非常に多く、死者率が世界でも最も高い国という事実があります。

 

そうしたコロナ感染数や死者数が非常に高いスウェーデンの「事実」をEU諸国が認識したら、EU諸国はスウェーデンとの国境を開放すべきではないという、結論になるのは当然のことなのではないでしょうか?

 

まったく意味のわからない発言であり、スウェーデン人の入国がEU諸国に甚大な被害を与える可能性があるため、多くのEU各国が国境開放をしないとしている状況を、スウェーデンは「差別」されていると外務大臣が公言しているのです

 

まるで犯罪の加害者が、被害者たちから隔離されている状況を「差別」されていると主張している事同じであります。

 

この外務大臣の発言からだけでも、スウェーデン当局の発言は一般的な常識や論理から大きくはずれており、自分勝手な発言であることがよくわかるのではないでしょうか?