海外発、スウェーデン 現地レポート

日本では理想郷としてよく取り上げられるスウェーデンという国ですが、実際あまり観光で来たり、現地の人と一緒に働き生活をしたことがある人はいないかと思います。 そうしたあまりよく知られていないスウェーデンという国を、実際のスウェーデンでの実際の生活や働きぶりを通してレポートしていきたいと思っています。

4月5日 スウェーデンのカロリンスカ大学病院の医療崩壊危機の現状

 

本日のスウェーデン感染者状況

本日におけるスウェーデンの感染者総数は6,443人、死亡者373人、100万人あたりでは638人にもなっています。

 

日本の感染者数が3,139人、死亡者77人、100万人あたりでは25人ですので、スウェーデンは人口あたり25倍以上も日本よりコロナ感染が広がっていることになります。

 

スウェーデンの街の光景

猛威を振るうコロナ感染ですが、スウェーデンはいまだに規制もないためのんびりとした雰囲気が漂っています。

昨日、少し外にでてみると、道路でローラースキーをしている人たちを見かけました。

これほど世界中で感染者、死者がでているのになんとスウェーデン人は呑気なのだとびっくりしてしまいました。

 

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4月4日 街でローラースキーをする人たち

 

カロリンスカ大学病院の医療崩壊の現状

4月1日のスウェーデンの新聞アフトンブロデットによると、スウェーデン公衆衛生局長のアンダーシュ・テグネルは、スウェーデンでは他の北欧諸国より死亡率は高いが感染者数は低いと述べ、公衆衛生局がコロナ対策の規制をしない考えが正しいことを強調しています。その理由の1つに、ストックホルムの医療機関がうまく機能していると発言していました。

 

しかし実際にそうなのでしょうか?

 

4月1日の独立系メディアであるレイテスト・フロム・ヨーロッパによると

スウェーデンの病院は今、医療崩壊の危機間近であるとのことです。

 

ノーベル生理学・医学賞の選考委員会があり、スウェーデン最高峰の医療を提供する、ストックホルムのカロリンスカ大学病院の職員からリークされた院内ニュースレターには、集中治療室(ICU)が危機的な段階にあるため多くの患者に治療ができなくなっていると記されています。

 

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4月1日カロリンスカ大学病院の社内ニュースレター

そのカロリンスカ大学病院院内ニュースレターには

私たちは重要な立場にいます。現在の状況が大幅に下がらない場合、ストックホルムのすべての集中治療ベッドが今週末までに満杯になる可能性があると予測されています。」と記されているのです。

 

このニュースレターによると、今週末までには集中治療室のベッドが満杯になると記されているので、本日4月5日時点では、すでにカロリンスカ大学病院において重篤のコロナ患者の対応ができない状態になっていることになります。

 

latestfromeurope.com

 

しかしこうした病院の医療崩壊事情があるにもかかわらず、4月1日にスウェーデン公衆衛生局長のアンダーシュは、ストックホルムの医療施設は問題ないと述べており、スウェーデンではコロナ対策規制をしない自分たちの政策が間違っていないと主張していたのです。

 

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4月1日 公衆衛生局長 アンダーシュ・テグネル

 

 

これがスウェーデンにいる全ての人たちの生命・健康を守る立場の人間が語る言葉でしょうか?

 

現在のスウェーデンはこうした人たちにより構成された政府・公衆衛生局に国民の生命が託されている状態なのです。