海外発、スウェーデン 現地レポート

日本では理想郷としてよく取り上げられるスウェーデンという国ですが、実際あまり観光で来たり、現地の人と一緒に働き生活をしたことがある人はいないかと思います。 そうしたあまりよく知られていないスウェーデンという国を、実際のスウェーデンでの実際の生活や働きぶりを通してレポートしていきたいと思っています。

イギリス人からみたコロナ危機下のスウェーデンの対応

 

本日のスウェーデン感染者状況

本日におけるスウェーデンの感染者総数は14,385人、死亡者1,540人、100万人あたりでは1,424人にもなっています。

(スウェーデン公衆衛生局は毎日統計データを更新しないので、昨日と同じ人数です)

 

日本の感染者数が10,797人、死亡者236人、100万人あたりでは85人ですので、スウェーデンは人口あたり16倍以上も日本よりコロナ感染が広がっていることになります。

 

いまだに特にコロナ規制はない現状

スウェーデンでは相変わらず、コロナ拡大防止に対する規制はいまだ特にありません。

世界で唯一といってもいいほど、コロナ拡大防止の規制や対策を打ち出していな国であり、海外メディアからも非難をあびています。

 

しかし政府は規制をするかわりに、国民一人ひとりが責任をもち、コロナ拡大防止に務める必要があるとスウェーデンのローベン首相に3月22日の演説で語っていました。

 

そのためスウェーデンの街にはいまだ多くの人がいます。

特にこの数週間は天気が非常によいため、多くの人たちが外出をしています。

 

昨日、裸になり芝生で寝転がり、ビール飲みながら日光浴をする人たちも見かけました。

 

こうした光景をみると、スウェーデンでは本当に日本の16倍以上もコロナ感染が拡大しており、死亡率も73%以上にもなる国なのかと目を疑ってしまいます。

  

イギリス人からみたコロナ危機下のスウェーデンの対応

4月16日のスウェーデンメディアザ・ローカルでは、「スウェーデン人は世間知らずなのか、それとも部屋にいる唯一の大人なのか?」という見出しで、スウェーデンに住むイギリス人コピーライターのポール・ジャクソン氏が、イギリス人の目から見たコロナ危機下におけるスウェーデン人を批評しています。

 

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ザ・ローカル4月16日スウェーデン人は世間知らず、若しくは大人?

 

ポール氏によると、

「私はスウェーデンに30年以上住んでいますが、生まれ育ったイギリスにいまだ足がついています。そのため毎日イギリスのニュースをみています。

イギリス人の視点で現在のコロナ危機がどのように捉えられているかを見ると、スウェーデンの対応はよく言えば素朴ですが、自己満足感傲慢さを感じるのです。

しかしスウェーデン人の視点では、このスウェーデンの対応は、落ち着いた成熟した対応と受け止めているのです」と語っています。

 

同じヨーロッパ人のイギリス人の視点からでも、スウェーデンの対応は理解を超えていることがよくわかります。

 

にもかかわらずスウェーデン人は、自主性を尊重するといい、まったくコロナ対策しないスウェーデン政府の対応を、「落ち着いた成熟した大人」のような対応だと考える人もいるのです。

 

いまだにパーティーの続くストックホルムの夜

またポール氏によれば、現在のスウェーデンでのほとんど生活は普段と変わらないが、1つだけ違うのはレストランとカフェは営業している、しかしほとんど客はいないと語っています。

 

私も全般的にその通りだと感じます。


実際にフィットネスクラブは公衆衛生局が運動は健康にいいからというため普段どおり営業されており、レストランやカフェも通常どうり営業しています、しかしいつもより客は減っている印象をうけます。

 

ただこれは昼間の話です。夜はどうなのでしょうか?

 

スウェーデン政府や公衆衛生局が規制をしない理由の1つとして、スウェーデン人が当局の助言を守る国民であるため、スウェーデンではコロナ規制をしないと発表していました。


しかし4月19日の新聞アフトンブロデットによれば、多くの人たちがストックホルムへ夜中にパーティをしにくり出していると報道されています。

 

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新聞アフトンブロデット4月19日ストックホルムの夜

 

この記事のよると、誰もが当局の助言を聞いているわけではないそうです。
さらに携帯通信会社テリアの個人携帯追跡から、ストックホルムへ出かける人たちが、2週間前より数万人以上増加していると報じられています。

 

このように全ての人たちがスウェーデン当局の助言を聞き入れているわけではなく、逆に多くの人達がストックホルムに出向き夜にパーティをしていることが明らかになったのです。

 

これがスウェーデン人のいう「落ち着いた成熟した大人」の考え方なのでしょうか?

 

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新聞アフトンブロデット4月19日ストックホルムの夜2


www.aftonbladet.se

 

昨日のブログでも記載しましたが、ワールドメータースの終結した事例における回復者数と死亡者数の割合において、スウェーデン死亡率は73.31%にもおよびます。(4月18日時点)

隣国フィンランドの死亡率5.03%ですので、スウェーデンの死亡率が桁違いに高いことがわかります。

 

さらに医療崩壊が起きていると報じられる、イタリアでさえ死亡率34.08%スペイン死亡率21.13%ですので、どれほどスウェーデンの死亡率が高いかわかるはずです。

 

globaljourney.hatenablog.com

しかし多くのスウェーデン人はそうした悲惨な現実をみようとせず、今までと同じ生活を続けています。さらに夜中にパーティーに遊びに行く人も増加しているのです。

 

私には多くのスウェーデン人が、死者の国に住みながら現実をみず、永遠の若さや命のあるネバーランドの住人であると信じている人たちのようにも見えてきます。。。

  

日本人からすれば理解を超えた、スウェーデン政府やスウェーデン人の姿がみえてくるのではないでしょうか?