スウェーデンは環境汚染国家? 死亡率と大気汚染
本日のスウェーデン感染者状況
本日におけるスウェーデンの感染者総数は16,755人、死亡者2,021人、100万人あたりで感染者は1,659人、死亡者は200人にもなっています。
日本の感染者数が11,950人、死亡者299人、100万人あたりで感染者は94人、死亡者は2人です。
スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は100倍も日本より高いことになります。
大気汚染が高い国に死亡率が高いという公共テレビSVT記事の大きな矛盾
今日もスウェーデンは良い天気で快晴の一日でした。
スウェーデンは森も多く空気もきれいであり、ストックホルムは北のベニスと呼ばれるほど湖が多く、自然豊かな街です。
しかし4月22日の公共テレビSVTでは、ハーバード大学の調査によると、大気汚染の多い地域に長年住んでいる人は、低レベルの地域に住んでいる人よりもコロナで死亡する可能性が15%高くなると報道されています。
ウメオ大学の環境医学教授、ベルティルフォルスベリ教授は、
「大気汚染の健康への悪影響についての知識にもとづいて、コロナの悪影響に寄与しないのであれば、注目に値する」と語りました。
またこのSVTの記事では、今週発表された別の研究によれば、イタリアやフランス、スペイン、ドイツでの全死亡の78パーセントが、最も汚染された地域で起こったと報じています。
この記事を読んだ人には、アメリカやイタリア、フランス、スペイン、ドイツでは大気汚染がひどいため、死者率が高いような印象を受けます。
そしてSVTの記事はスウェーデンのでは環境がよいので、死亡率があたかも低い印象をもたせるのです。
それというのはSVTの理事会は、多くの与党 社民党員で構成されています。そのため普段からSVTは政府擁護の記事が多いのです。
そのためこの記事でも政府擁護のため、環境国家スウェーデンは死者率が高くないと国民にアピールしたいのです。
しかし実は終結事例における回復数と死亡数におけるスウェーデンの死亡率は77.89%であり、大気汚染で問題となっている中国の死亡率5.66%よりも13倍以上も高いのです。
中国だけではありません。
経済成長が著しく、環境問題が騒がれているインドの死亡率でさえ13.48%であり、スウェーデンの死亡率には遠くおよびません。
その他にSVTがこの記事で国名をあげた各国の死者率は、
スペイン 20.18%
イタリア 31.5%
フランス 34.42%
ドイツ 5.08%
アメリカ (データなし)
このようにスウェーデンは大気汚染がひどい中国やインドだけではなく、名指しした他国よりも死者率が段違いに高いのです。
そしてもしSVTがとりあげた記事の内容が正しいのならば、実はスウェーデンの大気汚染は非常に高く、環境汚染国家であることになってしまうのです。
ただ恐らくSVTの意図としては、スウェーデンは環境を謳い大気汚染が少ないから、スウェーデンでのコロナ死亡率も低いと国民を誤認へと誘導しようとしていると考えられます。
しかしもし記事が真実であれば環境国家を否定しているようなものであり、政府擁護ではなく自分自身で墓穴を掘ってしまっているのです。
なんともスウェーデンらしい矛盾だらけのニュースなのです。
ただスウェーデンのニュースや政府、公衆衛生局の発言は毎回のようにが変わり一貫性はなく、過去の報道・発言への責任もとりません。
そのため今回のような矛盾があるニュースでも特に気にせず、今後も今まで通り矛盾だらけの報道を続けていくと考えられます。
環境国家とは別の顔、化石燃料に投資するスウェーデン政府
しかし実はこの記事、矛盾ではないこともあります。
2019年のヨーテボリ新聞によると、スウェーデンの年金の一部が化石燃料企業に投資されており、その投資先の石油・ガス企業は、世界で二酸化炭素排出量が最も懸念される100企業のうち32企業であったと新聞の一面に記載されました。
また「国内」での環境エネルギー100%を唄っているスウェーデン政府系電力会社バッテンフォールは、2015年の公共テレビSVTによれば、環境破壊に最も影響の大きい褐炭を使い、ヨーロッパで4番目に高い二酸化炭素排出量する「国外」にあるドイツの火力発電所を多数買収していたのです。
このようにスウェーデンは環境国家をうたっていますが、実は化石燃料企業に投資をし巨額な利益をあげる、環境国家とはまったく違う2面性のある、利益至上主義の国でもあるのです。