海外発、スウェーデン 現地レポート

日本では理想郷としてよく取り上げられるスウェーデンという国ですが、実際あまり観光で来たり、現地の人と一緒に働き生活をしたことがある人はいないかと思います。 そうしたあまりよく知られていないスウェーデンという国を、実際のスウェーデンでの実際の生活や働きぶりを通してレポートしていきたいと思っています。

4月10日 介護士がマスクせずに広がる老人ホームでのコロナ拡大

 

本日のスウェーデン感染者状況

本日におけるスウェーデンの感染者総数は9,141人、死亡者793人、100万人あたりでは905人にもなっています。

 

日本の感染者数が5,530人、死亡者99人、100万人あたりでは44人ですので、スウェーデンは人口あたり20倍以上も日本よりコロナ感染が広がっていることになります。

 

介護士がマスクせずに広がる老人ホームでのコロナ拡大

 

今日からスウェーデンではイースター(キリスト復活祭)休みが始まりました。そのためスウェーデンは休みモードになり、街にも人は多く、レストランやバーにも人が多くいます。

本当に今コロナが国中で蔓延しているのかと感じるほど人があふれています。

 

4月8日の公共テレビSVTによると、老人ホームで介護士がマスクを使用していないため、老人にコロナ感染が拡大していると報道されています。


そしていまだに老人ホームの介護士がマスクをせずに働いていることに、老人ホームに住んでいる老人がその不安を語っています。また老人ホームを訪れる人たちもマスクの使用規定がされていません。

 

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SVT4月8日 老人ホームでマスク未使用で広がるコロナ感染と語る老人

 

こうした老人ホームで働く介護士や訪問者のマスクの未使用により、老人ホームでの感染が広がっており、すでに160人の老人が亡くなっているとのことです。

 

www.svt.se

 

そのため老人ホームで働く人には顔を保護する"バイザー"と呼ばれる、透明の防護シールドを取り付ける提案がされました。

ただスウェーデンのことですので、提案がされたというだけであり、実際にいつこの顔防護シールドをつけて全ての介護士が老人ホームで働くようになるかはわかりません。


というのは3月15日に、スウェーデンが国境を閉鎖しない代わりに、老人を守るべきだとローベン首相は発言していました。


しかしこの発言からすでに4週間近くたっていますが、いまだ政府は老人を守るための具体的な政策がださず、多くの老人がすでに亡くなってしまっているのです。


そのため老人ホームで介護士による顔防護用のバイザー使用の規定が制定されたときには、さらに多くの老人が亡くなってしまっていると考えられます。

 

www.aftonbladet.se

 

ちなみに隣国フィンランドでは、老人ホームを訪れる人達にはマスクの使用がすでに義務付けられています。

  

www.hs.fi

 

フィンランド政府は老人をコロナ感染から守るために具体的な対策があります。フィンランド政府はスウェーデン政府とは違い、政府が本気で国民を守ろうという気持ちが感じられるのです。

 

ただここで間違わないで頂きたいのは、フィンランド政府が優れた政府だと言うわけではなく、普通なのです。

何も対策を講じていないスウェーデンがおかしすぎるだけなのです。