海外発、スウェーデン 現地レポート

日本では理想郷としてよく取り上げられるスウェーデンという国ですが、実際あまり観光で来たり、現地の人と一緒に働き生活をしたことがある人はいないかと思います。 そうしたあまりよく知られていないスウェーデンという国を、実際のスウェーデンでの実際の生活や働きぶりを通してレポートしていきたいと思っています。

3月31日 疫学者が経済影響を考慮し作られるコロナ対策

もう4月だというのに日本の関東地方では雪にみまわれ、東京都心でも積雪1cmを観測しています。
こちらスウェーデンはこの1週間快晴が続いており、白樺による花粉が舞い散っています。
個人的な感想ですと、日本の杉の木花粉より、スウェーデンの白樺花粉のがひどいように感じます。
しかしヨーロッパではマスクをする習慣がないため、誰一人として花粉予防にマスクする人をみかけません。

 

コロナ感染状況をみても予防としてマスクをするような日頃から用心深い日本人と、マスクはウィルスを防止できないと報道するマスコミや、予防の意識が薄い政府の考え方が、日本と異なり今回のヨーロッパでのコロナ爆発的な拡大に大きくつながっていると考えられます。


本日のスウェーデンの感染者数は4028人、死亡者146人、100万人あたり399人の感染者数となります。

日本の感染者数は1953人、死亡者56人、100万人あたり15人となります。

依然とスウェーデンの人口あたりの感染者数は26倍以上大きいことがよくわかります。

 

www.worldometers.info

昨日の公共テレビSVTニュースで、スウェーデン公衆衛生局の疫学者アンダーシュ・テグネルは、多くの人がコロナ検査を受けられれば、コロナ感染から多くの高齢者を守れるだろうと語りました。そして実際に1万人がコロナウイルスの検査を受けとのことです。そしてさらにコロナ検査を行っていくと述べています。

 

www.svt.se

 

またウプサラ大学の経済学者ダニエルスピロ教授も、現在のコロナ感染によって経済的損害をどのようにして減らすかを政治家に提案してます。その提案によるとこの100万人がコロナ検査を受け、予定より1か月早く仕事に復帰できれば、GDPの0.5〜2%に値し500億クローナの価値となると試算しています。

 

ここまでは悪くないのですが、なぜかこのSVTの番組では、スウェーデン公衆衛生局の疫学者アンダーシュ・テグネルと経済学者ダニエルスピロ教授が対談を行い、経済的な視点からもコロナ検査を増やすべきだと議論しているのです。

 

www.svtplay.se

スウェーデン公衆衛生局は日本の厚生労働省のようなものです。さらにこのスウェーデン公衆衛生局のアンダーシュ・テグネルは疫学者であり経済学者ではありません。本来、疫学者は医学的な観点からコロナ対策を検討するべきのはずです。
しかしスウェーデン公衆衛生局の疫学者アンダーシュ・テグネルは、経済学者の話を聞いてコロナ対策を検討しています。
また経済的影響は政府や政治家が考えるべきです。
しかし今のスウェーデンではただの疫学者が経済的影響も検討してコロナ対策を考えているのです。
政府は一向にコロナ対策の最終責任者としてメディアに現れることもありません。
こうしたあたかも政府に責任がないようにみせかける、議論の場を作り出しているのは理事会に社民党員が多い公共テレビSVTなのです。