海外発、スウェーデン 現地レポート

日本では理想郷としてよく取り上げられるスウェーデンという国ですが、実際あまり観光で来たり、現地の人と一緒に働き生活をしたことがある人はいないかと思います。 そうしたあまりよく知られていないスウェーデンという国を、実際のスウェーデンでの実際の生活や働きぶりを通してレポートしていきたいと思っています。

3月27日 政府がやっと50人以上の集会の禁止を発表

他のヨーロッパ諸国が街の閉鎖や緊急事態宣言をしているなか、これまで500人以上の集会だけを禁止していたスウェーデン政府が、やっと50人以上の集会の禁止を決定しました。

 

スウェーデンのミカエル・ダンバーグ内相は記者会見で、「一般的な勧告ではなく、政府による厳格な禁止」と述べました。一見すべての集会で50人以上の集会が禁止のようにとらえられますが、今日された禁止は、「公共の集まりと公共のイベント」に適用されるのみで、学校や公共交通機関、民間イベント、出張などの活動は禁止の対象外となっているのです。

 

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そして今日の会見で、他のヨーロッパ諸国が以前から発表しているように、ロッフェン首相もこの数週間から数か月先が厳しい状況になるとやっと発表したのです。

 

たしかにスウェーデンのコロナ感染拡大はますます勢いをまし、現在厳しい状況に陥っています。しかし2日前にスウェーデン公衆衛生局のアンダーステグネル氏は、スウェーデンでは感染の広がりが進んでおらず感染状況は安定していると述べているのです。そうすると2日前の公衆衛生局の発表と今日の首相の発言には大きな矛盾を含むことがわかります。

 

またさらにロッフェン首相は「個人としての私たち全員が私たちの責任を取る必要があります」と発言しており、政府がコロナ拡大の防止に責任をもつのではなく、国民個人がコロナ感染拡大の防止につとめなければならないと言っているのです。
しかし今日までスウェーデンでコロナの感染が急激に拡大していったのは、スウェーデン政府が何も対策を講じてこなかったためです。にもかかわらずコロナ感染が拡大してしまった責任を、国民に責任転換しようとしている政府の意図がよくみえてきます。

 

このブログを読まれた方は、まさかスウェーデンはそのような国のはずがないと思う人も多いはずです。その理由としては一般的に日本のニュースで、スウェーデンのよい面ばかり取り上げられるため、あたかもスウェーデンが平等で正義の国のイメージが強いかもしれません。しかし実際のスウェーデンは、世界でも人口当たりにすると軍事輸出額が世界で第3番目と、非常に多くの軍事輸出を行う国なのです。そして人権主義が盛んで環境に力を入れる国と、よい面だけが世界に強くアピールするものの、何かあればまったく悪い面を表にださずに、明確な意見をいわず黙り込んでしまうことが非常に多い国なのです。


しかしそうしたスウェーデンの真実を知っている人は多くいません。そのためまさかスウェーデンが軍事輸出大国であることを知る人もあまりいないのです。このように都合がよい面だけを表つよくアピールし、悪い面はまったく表に出さずだまりこんでしまうのがスウェーデン流の政治手法なのです。


 

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そして今回のコロナ対策でも、明確に具体的な政策を発表することもなく、もし不都合な点があれば政府はだまりこみスウェーデン公衆衛生局に責任を押し付け、また国民にも責任転換をすりかえようとしているのです。また仮に政府が何か発言したとしても、前回の発言に責任をもつこともないため、国境を閉鎖しないといった2日後に国境を閉鎖するとまったく反対の政策でも、何もなかったようにコロコロと意見を変えられるのです。こうれが日本人にはとても信じれない無責任極まりないご都合主義のスウェーデン政府の実態なのです。