海外発、スウェーデン 現地レポート

日本では理想郷としてよく取り上げられるスウェーデンという国ですが、実際あまり観光で来たり、現地の人と一緒に働き生活をしたことがある人はいないかと思います。 そうしたあまりよく知られていないスウェーデンという国を、実際のスウェーデンでの実際の生活や働きぶりを通してレポートしていきたいと思っています。

スウェーデンの民間医療クリニックで高額な偽コロナ検査証明書発行の発覚

 

本日のスウェーデン感染者状況

本日におけるスウェーデンの感染者総数は537,967人、死亡者10,797 人、100万人あたりで感染者は53,085人、死亡者は1,065人にもなっています。

 

日本の感染者数が334,328 人、死亡者4,548人、100万人あたりで感染者は2,648人、死亡者は36人です。

 

スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は29倍以上も日本より高いことになります。

 

スウェーデンの民間医療クリニックで高額な偽コロナ検査証明書発行の発覚

現在、新たな変異コロナウィルスの感染拡大に伴い、日本でも水際対策措置として、検疫強化対象国・地域に指定された地域から、入国の場合、出国前72時間以内のコロナ検査証明書を提出しなければなりません。

 

そしてスウェーデンも日本の検疫強化対象国・地域に指定されている国です。

 

また日本だけではなくヨーロッパ諸国でも入国時に、コロナ検査証明書を提出を求める国も多くなってきています。

 

そのためスウェーデンでもビジネスなどで他国に行く必要がある人は急いでコロナ検査を行い証明書をとる必要がでてきています。

そうした中スウェーデンでは信じられない事件が発覚しました。

 

スウェーデンの医療新聞Lakartidningenによると、ヨーテボリ民間医療クリニックでは、偽のコロナ検査証明書を発行した疑いがあると報道しているのです。

 

証明書にはUnilabsと呼ばれる医療研究ラボで検査認定されたとし「認定ラボ:UNILABS」と記載されています。

 

しかしUnilabsはこのこのクリニックからのサンプルを受け取っておらず分析もしていないとし、警察へ報告したと記されています。

 

lakartidningen.se

 

この民間医療クリニックは、すべてが誤解であり、代わりにコロナ検査のサンプルが、タターバイオセンターとサールグレンスカ大学病院で分析されたと述べています。

 

しかしタターバイオセンターとサールグレンスカ大学病院も、このクリニックのサンプルを分析していないと述べているのです。

 

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偽コロナ検査結果をもち他国入国によるコロナ拡大

この記事によると、このクリニックではさまざまなコロナ検査を提供しています。最も高価なものは2690 クローナ(約3万6千円)で、2時間以内に結果が保証されるとあります。

 

しかし実際には検査ラボにサンプルも送らず、高額な検査費用だけ取って嘘のコロナ証明書を発行していた事件が発覚したのです。

 

この民間クリニックではもちろん正規の医師が働いています。

こうした正規の医師がいるにもかかわらず、目先の高い検査費のために偽のコロナ検査証明を発行してまで利益を求める人たちもいるのです。

 

そしてこの民間医療クリニックで偽コロナ検査証明書をもってヨーロッパを旅行した人もいると述べられているのです。

 

現在、ノルウェーやフィンランド、デンマークなど周辺諸国よりコロナ感染がひどいスウェーデンから、この偽の証明書をもって他国に入国した人もいるため、他国にコロナウィルスが広がるリスク拡大させてしまった可能性もあるのです。

 

これまでスウェーデンは独自路線といって特に規制をしなく、他の北欧諸国より非常に多い感染者数を出しています。そのため他の北欧諸国からもスウェーデンからの感染拡大が懸念されていました。

 

しかし昨年12月15日にコロナ委員会がスウェーデンの高齢者コロナ対策は失敗であると正式に発表し、現在はこれまでの独自路線から政府が中心となりコロナ対策を進める政策に方針を転換しています。

(その為これまで頑なにマスク使用を推奨してこなかったスウェーデンでも、現在はマスクの使用が強く推奨され、街中でもマスク使用者が増えてきています)

 

globaljourney.hatenablog.com

しかし現在もこうした一部の者の利益のために、いまだスウェーデンから他国へ感染を拡大させ迷惑をかける状況を生んでいるのです。

 

世界中がコロナ感染拡大防止に力を注いでいる中、スウェーデン政府はこの問題を真摯に受け止め、スウェーデンだけの国内問題としてではでなく、もっと世界と協力して感染拡大防止に力を注ぐ必要があるのではないでしょうか?

 

 

 

 

スウェーデン-エストニア間の27年前タイタニック規模の未解決沈没事故(前半)

 

本日のスウェーデン感染者状況

本日におけるスウェーデンの感染者総数は523,486人、死亡者10,323 人、100万人あたりで感染者は51,659人、死亡者は1,019人にもなっています。

 

日本の感染者数が315,910 人、死亡者4,380人、100万人あたりで感染者は2,502人、死亡者は35人です。

 

スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は29倍以上も日本より高いことになります。

 

26年前タイタニック規模の未解決沈没事故

レオナルド・ディカプリオ主演の映画「タイタニック」は誰もが知る有名な映画です。

 

この映画タイタニックは1912年4月14日深夜、北大西洋上で氷山に接触、翌日未明にかけて沈没した実際の沈没事故をもとに作成されました。

 

このタイタニックによる犠牲者数は乗員乗客合わせて1,513人であります。

大変に悲劇的な100年以上前に起きた痛ましい沈没事故です。

 

しかしこのタイタニック規模の沈没事故が、近代においても起きていたことはあまり、日本であまり知られていないのでないでしょうか?

 

今から約27年前の1994年9月28日、エストニアからスウェーデンに航海中の客船エストニアは突如バルト海で沈没しました

 

その沈没事故による犠牲者は852人もおよび20世紀最悪の海難事故の一つとして知られています。

 

しかしこの20世紀最悪とも呼ばれる27年前に沈没事故ですが、スウェーデン、エストニア政府とも調査に非常に消極的であり未だに原因不明の未解決事件なのです

 

ドキュメンタリ番組「エストニア」で新事実が発見

26年間も未解決であり調査も進展してこなかったこの沈没事故ですが、スウェーデンのドキュメンタリー番組「Discovery+」で事故の公式見解を覆す可能性のある新たな証拠が示されました。

 

このドキュメンタリー番組についてではスウェーデンでは一時大きなニュースとなりました。

 

これを受けエストニア、スウェーデン、フィンランドの外相は新たな情報の調査をする」予定だとする共同声明を出したのです。

 

www.afpbb.com

ドキュメンタリー「Estonia: The Find That Changes Everything(エストニア:すべてを覆す発見)」の制作チームは、船体にこれまで記録されていなかった4メートルもの穴があるのを発見したとしています。

 

ドキュメンタリ番組のディレクターは逮捕

こうしてこれまで27年間調査の進展がなかった、20世紀最悪とまで呼ばれる沈没事故ですが、このドキュメンタリー番組を機に再調査が進められることとなったのです。

 

https://www.discoveryplus.co.uk/show/estonia

https://i.guim.co.uk/img/media/4205d10cdbb622c678316d5dfdeec1ab4afb1e39/191_1_1879_1128/master/1879.jpg?width=605&quality=45&auto=format&fit=max&dpr=2&s=f43a5a4c47d664982d778d1b058145a8

 

しかしフランスのAFP通信によると、フィンランドのウト(Uto)島の周辺海域は墓所に指定されており、沈没船の残骸を探索することは禁じられています。

 

そのためドキュメンタリーを制作したヘンリク・エバートソン(Henrik Evertsson)監督と撮影スタッフ1人は、この場所を調査した後、逮捕されました

 

スウェーデンで墓地の尊厳を侵害した罪で有罪になれば、最高で禁錮2年が科せられる可能性もあるとのことです。

 

20世紀最悪とも呼ばれる沈没事故の解明に兆しをみせたこのドキュメンタリー番組については、スウェーデンでは一時大きなニュースとなりました。

 

しかし日本ではこのニュースが報道されることもなく、知っている人もあまりいないのではないでしょうか?

コロナ委員会から正式に高齢者コロナ対策失敗と報告されたスウェーデン政府の責任

 

本日のスウェーデン感染者状況

 

本日におけるスウェーデンの感染者総数は367,120人、死亡者7,993人、100万人あたりで感染者は36,245人、死亡者は789人にもなっています。

 

日本の感染者数が195,880 人、死亡者2,873人、100万人あたりで感染者は1,551人、死亡者は23人です。

 

スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は34倍以上も日本より高いことになります。

 

1日で1万人近い感染者

スウェーデンは1023万人しかいない小国です。しかし12月17日の感染者は9659人にも及びました。

日本では12月17日に3061人の感染者を出していますが、人口あたりで考えると、スウェーデン37倍以上も1日の感染者が多いのです。

 

コロナ委員会がスウェーデンのコロナ対策は失敗と正式発表

現在、スウェーデン政府は多くのメディアで非難をあびています。そして無防備コロナ対策とも呼ばれたスウェーデンのコロナ対策もついに、他諸国に近い規制が12月24日から実施されることになりました。

 

それというのは12月15日にスウェーデンのコロナ委員会がスウェーデンのコロナ対策に関して正式報告を出したことに始まります。

コロナ委員会とはスウェーデン政府がコロナ対策に対して6月30日に発足した委員会です。そのコロナ委員会が12月15日にスウェーデンの高齢者に対するコロナ対策は失敗であったと正式発表したのです。

 

https://coronakommissionen.com/wp-content/uploads/2020/12/summary.pdf

 

さらにコロナ委員会は、政府は高齢社会が施設が脆弱であると認識しているにもかかわらず対応も遅く、多くの高齢者が死亡してしまう自体を生んだと報告しているのです。


ただ一部の日本のニュースでは、スウェーデンは諸外国とは違い、コロナ対策はスウェーデン公衆衛生局が責任を負っており、政府は責任がないように報道していました。


しかし3月28日に私がブロクでは最終責任は法律上政府にあると記載しました。実際にコロナ委員会の報告書でも最終的なコロナ対策の責任はあると、報告書で記しているのです。

 

公衆衛生局の間違ったコロナ対策はもちろんのことですが、高齢者施設が脆弱であるにもかかわらず政府がコロナ対策を先頭を負って指揮してこなかった
ことが、ここまでスウェーデンにおいて高齢者の死亡を生んでしまったことが、コロナ委員会の報告からも明白となったのです。

 

 

globaljourney.hatenablog.com

そして12月15日のニュースサイト「The Local」によれば、政府もスウェーデン公衆衛生局も、高齢者コロナ対策の失敗を認めたと記されています。

 

https://www.thelocal.se/20201215/what-does-the-first-report-from-swedens-coronavirus-commission-tell-us

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 独自路線といい長い間何も具体的な対策を出してこなかった、スウェーデン政府および公衆衛生局の対応が失敗であったと正式に認められたのです。

 

ただ政府の責任が明らかになったからといって、亡くなった方々が戻ってくるわけではありません。

 

これまでのスウェーデンコロナ対策に関してのスウェーデン政府の責任の不明確さからみてもわかるように、スウェーデン政府は日本政府とは考え方が大きく違います。

 

そのため今後スウェーデン政府がどのように、コロナ対策失敗に対しての責任をとっていくのか注視していく必要があるのです。

 

スウェーデンの過去最大・巨大なコロナ第2波の襲来

 

本日のスウェーデン感染者状況

 

本日におけるスウェーデンの感染者総数は124,355人、死亡者5,938人、100万人あたりで感染者は12,287人、死亡者は587人にもなっています。

 

日本の感染者数が101,146 人、死亡者1,766 人、100万人あたりで感染者は801人、死亡者は14人です。

 

スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は41倍以上も日本より高いことになります。

 

過去最大・巨大なコロナ第2波の襲来

最近、まったくブログを更新していませんでした。

というのもスウェーデンでは全くというほど特に何も対策もでず、

何も変わらないのでニュースをみているのも疲れてきてしまいました。

 

ただ近頃は日本のニュースで「スウェーデンはコロナを克服した」「スウェーデンにはコロナ第2波が来ない」などという話になっていると、日本にいる知人から聞きました。

 

本当なのでしょうか??

 

9月以降、スウェーデンのコロナ感染者数は増加しています。

現在のスウェーデンでは過去最大のコロナ感染者が毎日でています。

 

これまで1日の最大感染者数は6月24日の1,648人でしたが、10月28日には3,396人と過去最大感染者数の2倍以上の感染者となりました

そしてここ数日も毎日のように3,000人以上の感染者がでているのです。

 

10月28日の日本の感染者数は618人であるため、人口あたりにするとスウェーデンの1日の感染者数は日本の69倍以上も多いことになるのです。

仮にスウェーデンの人口が日本と同じであった場合、1日で約4万3千人の感染者がでたことになります

 

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スウェーデンの1日の感染者数グラフ(World Meters)

 

 公衆衛生局による地域限定の強い勧告

こうした巨大な第2波の襲来に、さすがのスウェーデン公衆衛生局も、ストックホルム県、ヴェストラ・ヨータランド県、エステルヨートランド県、ウプサラ県およびスコーネ県において、これまでの一般な勧告に加えて、小売店、ショッピングセンター、美術館・博物館、図書館、プール、ジムといった屋内環境は、食料品店や薬局の利用など生活に必要不可欠な場合以外は避ける勧告を出しました

スウェーデンではこれまでこうした強い勧告をだしていなかったことからも、今回の第2波がどれだけ大きいかわかるはずです。

 

これまで公衆衛生局の国疫学者のテグネル氏は、スウェーデンでは第2波がこないことを主張してきました。しかしさすがにこれまで大きな第2波であるため否定ができなくなりました。

 

しかし10月29日にテグネル氏は現在の状況が第2波かどうか尋ねられた時、

 

「それは重要ではないと思う。スウェーデンでは感染が広範囲に広がっている。それを第2波と呼ぶかどうかは興味がないことだ。」

と発言しているのです。

 

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10月29日SVT テグネル氏 第2波と呼ぶかは重要ではない発言

 

なんとも国家のコロナ対策を担うリーダーによる発言とは言い難いものでした。

まるで天気予報士が天気予報をはずれた程度にさえ感じられます。

 

ちなみにスウェーデンの天気予報はとてもよくはずれます。

そのためスウェーデン人の中には、ノルウェーの天気予報でスウェーデンの天気をみる人もいるほどです。

 

日本の報道への疑問

ところでなぜ日本のメディアはここまで日本と比べて非常にコロナ感染・死者数状況が悪いスウェーデンを「スウェーデンはコロナを克服した」や「第2波がこない」などと報道するのでしょうか?

 

統計データをみればスウェーデンのコロナ感染状況が日本より悪いのは一目瞭然です。

何かスウェーデンについて悪い報道をすることに問題があるのか疑問さえでてきます。

 

 

 

WHOにまでコロナ感染危険国11カ国のうち1つと指定されたスウェーデン

 

本日のスウェーデン感染者状況

 

本日におけるスウェーデンの感染者総数は69,692人、死亡者5,370人、100万人あたりで感染者は6,901人、死亡者は532人にもなっています。

 

日本の感染者数が18,723人、死亡者974人、100万人あたりで感染者は148人、死亡者は8人です。

 

スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は66倍以上も日本より高いことになります。

 

WHOにまでコロナ感染危険国11カ国のうちの1つと名指しされたスウェーデン

6月25日にWHOはヨーロッパでコロナ感染拡大のひどい特別に危険な11カ国を指定しました。そのうちの10カ国は東ヨーロッパの経済的にも次の貧しい国々でした。

(アルメニア、モルドバ、北マケドニア、アゼルバイジャン、カザフスタン、アルバニア、ボスニアヘルツェゴビナ、キルギスタン、ウクライナ、コソボ)

 

そしてスウェーデンはコロナ感染の特別に危険な11カ国うちの1つに指定されたのです。

 

これまで新聞やニュースなどで感染拡大がひどいと報道され続けていた、イタリア、スペインでさえ最近は感染拡大が緩やかになってきたせいか、この危険な11カ国には含まれていません。

 

さらにワールドメータスの統計からも、スウェーデンは特別危険な11カ国の中でも最も感染者数・死者数、および人口あたりの感染者数・死者数が多くヨーロッパで最もコロナ感染の危険な国はスウェーデンであることがわかるのです

 

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6月25日 WHO声明

https://www.euro.who.int/en/health-topics/health-emergencies/coronavirus-covid-19/statements/statement-digital-health-is-about-empowering-people

 

 これに対してスウェーデンの公衆衛生局テグネル氏は、WHOがスウェーデンを危険な11カ国に含めたことに対して、

 「スウェーデンではコロナ感染者数が増えているが、これは以前よりもずっと多くのコロナテストを行っているからだ。人々はまったく問題のない国であるスウェーデンと、明らかにエピデミック(伝染病)が始まっている国々とを混同してしいることは残念だ」

「(WHOは事実を知りたければ)電話して聞くべきだ」と述べWHOを批判しているのです。

 

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6月26日 公共テレビSVT WHO批判のテグネル氏

 

現在のスウェーデンのコロナ感染による人口あたりの死者数は世界でも7番目に多い数です。

 

5月21日の公共テレビSVTによれば、過去7日間におけるコロナ感染での人口あたりの死亡者数は、世界で最も高い死亡者数であったと報道されています。

 

こうした既成事実があるにもかかわらず、普通の常識のある国であれば、すべての国民の健康生命をにぎる人物が、スウェーデンはまったく問題のない国と言い切れるでしょうか?

 

日本人である私から考えれば、異常をきたす発言するような人物がコロナ感染対策のトップであり、いまだにトップでい続けられるスウェーデンという国自体の構造に大きな問題があると感じます。

 

www.svt.se

 

 

WHOがマスク使用推奨にもかかわらず、いまだマスク使用を強く推奨しないスウェーデン

 

本日のスウェーデン感染者状況

 

本日におけるスウェーデンの感染者総数は67,667人、死亡者5,310人、100万人あたりで感染者は6,700人、死亡者は526人にもなっています。

 

日本の感染者数が18,476人、死亡者972人、100万人あたりで感染者は146人、死亡者は8人です。

 

スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は65倍以上も日本より高いことになります。

 

WHOがマスク使用推奨にもかかわらず、いまだマスク使用を強く推奨しないスウェーデン 

6月8日の新聞ザ・ローカルによると、これまでコロナ感染拡大防止にマスク使用を推奨していなかったWHOでさえ、

「各国政府は、包括的なアプローチの一部として、特定の状況や設定でマスク着用することを一般市民に奨励すべきである」と述べました。

 

とうとうWHOでさえ実際にマスク使用している国々でコロナ感染拡大が抑えられている事実から、その方針を変えマスクの使用を推奨しはじめたのです。

 

しかしスウェーデン公衆衛生局は、

マスク使用はかゆみがあり、鼻の下に落ちるフェイスマスクは、手が口、目、鼻に頻繁に触れ、感染のリスクを高める可能性がある」としていまだにマスク使用を強く推奨しておらず、自分たちの主張が正しいことを言い張っているのです。

 

世界でも有数のコロナ感染拡大国、死者大国であるにもかかわらず、自分たちの否を認めない姿はまるで、子どもが自分のわがままを通しているような姿であります。

 

またさらに言えば、マスクはかゆくなるのが問題ならば、スウェーデン製のマスクの質が悪いためではないでしょうか?

 

 

およそ今年の2月頃からコロナ危機は始まり、すでに約5ヶ月経とうとしています。

 

最近日本ではユニクロがなめらかな着け心地で洗えるエアリズムマスクが販売し、マスクのつけ心地もかなりよくなっています。

 

スウェーデンでもコロナ危機が始まって以来、質の良いマスクをつくる時間はいくらでもあったはずです。

 

 

https://www.thelocal.se/userdata/images/1591607267_f2be62e5ab837e36c1a58007bbc91082f1d009443d3cb9f458f6569f73e9f4eb.jpg

https://www.thelocal.se/20200608/why-isnt-sweden-asking-people-to-wear-face-masks

 

また6月29日のブログにも記載しましたが、マスク不足という理由で、スウェーデンでは一般の医師さえもマスク使用が禁止されています

 

globaljourney.hatenablog.com 

しかし日本では家電メーカーのシャープでさえマスクを製造して、マスクが簡単に購入できる状態です。

スウェーデンも2月から多くの時間があったのですから、政府が主導となり他の企業にもマスク製造を要請すればよかったはずです。

 

しかし反対にスウェーデンでは、国内でマスクが不足しているにもかかわらずスウェーデンのローベン首相の力添えを行い、スウェーデンの医療機器企業モンリッケが他国にマスクの輸出することを促しています。

 

また今はヨーロッパでもアマゾンなどのインターネットサイトで他国からマスクを簡単に購入もできます。一般人が簡単にマスクを購入できるのに、なぜ医師がマスク不足でマスク使用の禁止という言い訳ができるのでしょうか?

 

あまりにも矛盾が多すぎてまったく話にならない国です。

 

WHOもコロナ感染危険国11カ国のうちの1つとして指定するほど、スウェーデンでは世界で有数の感染者数・死者数である事実にもかかわらず、スウェーデン公衆衛生局毎回のように言い訳だけをして一向に何も対策を練らず、いまだに多くの死者を生み続けています。

 

またスウェーデンの法律上で最終的にコロナ対策の責任のあるスウェーデン政府も、一向に何も行わず、挙句の果てマスク不足であるにもかかわらず、他国へのマスク輸出を助長しているのです。

 

普段スウェーデンは人道主義と謳ていますが現在のコロナ危機下では国民の健康・生命を守ることよりも、利益を優先している姿がわかるのです。

現在の実際のスウェーデンの現地状況

 

本日のスウェーデン感染者状況

本日におけるスウェーデンの感染者総数は65,137人、死亡者5,280人、100万人あたりで感染者は6,450人、死亡者は523人にもなっています。

 

日本の感染者数が18,390人、死亡者971人、100万人あたりで感染者は145人、死亡者は8人です。

 

スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は65倍以上も日本より高いことになります。

 

実際のスウェーデンの現地状況

この3週間ほどこのブログを更新していませんでした。
その理由としてここまでまで明らかに、スウェーデンではコロナ感染が拡大し、死者数が世界と比較しても非常に大きいにもかかわらず、何もかわらない状況にニュースをみるのも嫌になってきてしまいました。


4月25日与党・社会民主党のレナ・ハレングレン社会大臣が、高齢者介護における感染拡大は「間違いなく大きな失敗だ」と述べ、スウェーデンのローベン首相も5月7日に高齢者のコロナ対策が失敗であったことを認めたと報道されています。


6月3日にはスウェーデン公衆衛生局の国家疫学者テグネル氏でさえも、スウェーデンのコロナ戦略に問題があったことを認めたと報道されています。

(ただその次の日に海外のメディア報道がテグネル氏の発言を誤認して報道したと言い訳をしていますが)


しかし現実のスウェーデンではいまだ何も変わっていません。。。


先日私は数カ月ぶりに市内にいきました。そうしたところまったくコロナ以前と同じように市内には多くの人がごった返していました。

 

距離を開けて歩いているかというと特にそうした事を気にする人たちはいませんでした。またもちろん私以外に誰もマスクをしている人は誰もいません。


さらにレストランやバーにも人は混み合っており、屋外だけでなく室内の席にもお客がいるのです。


この市内の状況をみて、誰もスウェーデン公衆衛生局のいうアドバイス」さえ守っている人はおらず、なぜこれほどまでスウェーデンではコロナ感染拡大が広がり、死者数が桁違いに多い理由を再度実感しました。

 

マスク不足のため一般の医者はマスク使用禁止

さらに知り合いの医者になぜスウェーデンの医者はマスクをつけないのかを尋ねたところ、スウェーデンの一般の医者は「現在スウェーデンではマスクが足らないため、コロナ感染者と思われる患者と合わない限り、一般の医者はマスクの使用を”禁止”されているから、一般の医師はマスクを使用していない」と教えてくれました。


しかし4月3日の公共ラジオSRによると、スウェーデンの医薬品会社モンリッケはイタリアやスペインにマスクを輸出しようとしていたものの、EU規制によりフランスでマスク輸出が止められてしまっていると報じられていました。

 

そして4月4日の医薬品会社モンリッケのホームページによると、スウェーデンの首相ローベン首相の力で、再度マスクの輸出が再開できるようになったとあるのです。

 

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sverigesradio.se
なぜスウェーデンでマスクが足らず医師でさえマスクをしていない状況なのに、海外へマスクを輸出するのでしょうか?


さらにマスク輸出を再開できるようにしたのは、スウェーデンのローベン首相なのです。

 

この事実を知り合いのスウェーデンで働く医師にしらせると、それっきり返事がなくなってしまいました。


こうしたことはスウェーデンではよくあることです。スウェーデン人の多くは何か不都合なことがあると、沈黙をしはじめ、ときがたち人が忘れるのを待つのです。

 

www.molnlycke.com

老人ホームの状況

さらに高齢者施設でも同様です。4月8日の公共テレビSVTによると、老人ホームで介護士や面会者がマスクを使用していないため、老人にコロナ感染が拡大していると報道されています。

そのため老人ホームで働く人には顔を保護する"バイザー"と呼ばれる、透明の防護シールドを取り付ける提案がされたとあります。

 

www.svt.se

しかし私の近くの老人ホームをみた限りでは、誰もマスクやバイザーのようなものや、透明板のような仕切りがあるわけでもなく、普通に老人と面会をしています。

 

さらに高齢者と特に距離をとるわけでもなく、普通に1mくらいの距離で話をしているのです。

 

ただ唯一あるのは面会が屋外であることだけで、あとは何の措置もされている様子はありませんでした。

 

スウェーデン首相や社会大臣が高齢者のコロナ対策は間違いだと認めたとありますが、認めただけで結局何も変わっていないのです。

 

夏至祭でのパーティ

さらに6月20日はスウェーデンやスカンジナビア諸国では夏至を祝う「夏至祭」が行われ、大きなイベントです。今年はコロナ危機であるため大きな公的なイベントが行われてはいません。

 

しかし実際には多くの若者が家を貸し切り、家の中で密集した中、大音量の音楽をかけ盛大なパーティして楽しんでいる状況を目にしました。

このパーティをみたとき、絶対にこのあとコロナ感染する人がいると感じました。


さらに私自身もある年配のスウェーデン人からパーティへの誘いがあったほどです。

なぜこんな時期に誘うのか非常におどろき耳を疑いました。もちろん私はパーティなどいきませんでした。おそらくスウェーデン人は屋外にいればコロナ感染しないと思っているようです。

 

スウェーデン政府や公衆衛生局はスウェーデンの国民性として、当局のいうことを聞く国民性だといい規制を行っていませんがこれのどこがスウェーデン人は当局のいうことを聞く国民性なのだという一言です。

 

さらにスウェーデン公衆衛生局は6月11日に国内旅行の制限解除を行っています。

 

さらにコロナ感染拡大が広がり、死者数が増え続けているにもかかわらず、多くの人たちはあたかも何もないように元の生活に戻っていき、さらに国も何も具体的なコロナ対策は行わずさらに規制を緩めているのです。


これが世界で人口あたり7番目に死者率の高い国の現在の状況です。

 

あきれてものがいえない状況であります。。。

いまだに高齢者を含め多くの人々が亡くなっているにもかかわらず、日本人のようにこの時期に遊び呆けるのは不謹慎とい倫理観もないためか、国中にコロナ感染拡大しようが、自分さえコロナに感染しなければ問題なく、自身が楽しむことを優先している人が多いように感じます。

 

これが本当に人道主義といわれる国なのでしょうか?


本当に人道主義であるならば首相が高齢者へのコロナ対策失敗を認めたのですから、少しでも高齢者のコロナ感染を広めないための具体的な対策を一刻も早く練り、多くの人たちが感染・死亡しないように務め、国民自身もコロナ感染を少しでも広げないようにするのが本来の人道主義の国であるのではないでしょうか?


私の目からスウェーデンでは政府も国民も、そうした人道主義の理念をもっている国にはとてもみえません。